あの事件から、早いもので1ヶ月がたった。
文化祭の翌日。
学校近くの海岸で見つかった、女子高生の死体。
セーラー服に、肩くらいまでのポニーテール。
水死体ではない。
深く切られた手首。
彼女の隣で、砂がかぶっていた血のついたカッター
ナイフ。
そして砂浜に広がっていた血の跡。
それは現職生徒会長、草野桜の自殺だった。
砂の上に倒れたままの彼女に、生徒や教師たちはとても驚き、悲しんだ。
なんという悲劇であろうか、と。
悲しいことで、追悼の意を表したい、と。
しかし、それは長くは続かなかった。
人間の思考というのは、常に更新されゆくものなのである。
それは性別にも年齢にも左右されない。
ごくごく普通で、平凡なこと。
ましてや、深く知らない他人のことであればなおさら。
永遠の決別。それも前途多望な若者の自殺ではあった。
しかし、それが自分以外に起きたことであったことに、いくらの変わりもなかった。
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-15 19:49:12
15598文字
会話率:44%
………………………手
最終更新:2022-10-04 20:52:42
200文字
会話率:0%
薔薇の花束とは、薔薇の命をハサミで断ち、リボンと綺麗な紙で装飾した、言わば薔薇の死化粧済みの死体ではないだろうか。
それを涙を流し受け取り、微笑みながら、薬指に指輪をはめられた女性が、後に僕を産んだ人である。
転生時、記憶消去作業にミスが
あった。
現実を転生する僕が、記憶する人生とは、、、。
経験した者にしか知り得ない苦しみを転生によって知る、僕の話し。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-01 17:26:45
1107文字
会話率:0%
山中に女性の死体がごろごろ転がっているという。
しかし、それは死体ではない。
奴らが逃げた痕跡なのだ。
他サイトのタイトル企画で出展した旧作品の加筆版です。
最終更新:2015-01-05 11:17:31
510文字
会話率:50%
ごく普通の少年は変わらない毎日を退屈だと感じていた。
そんなとき桜の下にいる少女に気づく。いつ見てもそこにいる少女に少年は惹かれていた。
初めて声をかけた時少女はこの桜の下に何が埋まっていると思うかと尋ねた。あまり生気を感じられない少女の問
いに少年は死体という言葉を思い浮かべる。
そんな少年を見て少女は自分の祖母のタイムカプセルが埋まっているのだと笑った。
少女としばらく共に過ごした少年は少女がタイムカプセルを掘り起こすときに手伝うと約束する。
ある夜、少女と少年はタイムカプセルを掘り起こしに向かった。
少年は指示された場所を掘り進める。人が埋まるほど掘ってもそこにタイムカプセルはなく、代わりに少年は違うモノを見つけた。
どうしたことかと上にいる少女を見上げると、少女は嗤いながら少年を埋めていく。
少年はようやく自分が何のために彼女と出会ったのかを知った。
とある少女が桜を見ていた。正確にはその下にいつもいる少年を見ていた。
勇気を振り絞り自分に声をかける少女に少年は桜の下に何が埋まっていると思うかと尋ねる。
死体ではないかと体を震わせる少女に少年は大切な人からの贈り物だと嗤って答えた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-05-19 17:36:55
4452文字
会話率:36%