いつも一緒にいた二人の悲劇
最終更新:2019-07-27 23:59:06
2849文字
会話率:5%
どちらか選ぶ機会を与えてもいいと、その白い少女は言った――。
この世界は無数の歯車の集合体である。歯車一つのあるなしで、その“ずれ”は過去と未来へ向かって波及する――気がつくと“わたし”は一面を歯車で埋め尽くす場所にいて、その場所の管理者
を名乗る少女にそう聞かされた。外れた歯車を拾った彼女は、それを元の場所に戻すかどうかについて、“わたし”の意見を聞きたがっているようだった。
歯車を戻せば、“わたし”には歩ける足があって、死別した妹のいる過去がある。歯車をはずせば妹は生まれてすらこない。代わりにいるのはやさしい弟とかわいい姪――わたしはどちらを選ぶべきだったのだろう。
初出:缶じうす195(2014年)
http://scribentes.m22.coreserver.jp/?page_id=811
他サイト:青空文庫 http://slib.net/36727折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-04 17:08:57
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会話率:52%