ライムフォレストの女性兵士、キリ・エヴァンスは、全ての精霊の加護を受けたこの国随一の槍術士だった。戦場では無双の強さを誇る一方恋愛には疎く「好き」という感情が何なのかまだ分からないでいた。
そんな彼女の前に、フロストウィルからの交換訓練兵
士、エルク・ヴァルターが現れる。彼は寡黙でぶっきらぼうだったが、初めてキリを見た瞬間、その姿に一目惚れした。エルクの視線に気付いたキリは食堂で彼に声を掛け、次第に距離を縮めていった。
エルクは槍の腕も立つ兵士だった。しかしキリとの模擬戦を何度も行ったが負け続けていた。しかし、彼女と親しくなるにつれ、エルクはどんどん強くなっていった。そして、国へ帰る2ヶ月前、ついにエルクはキリに勝利した。
驚いたキリは「自分に勝てるエルクも精霊の加護をがあるのでは?」と思い、彼を神殿へと連れて行った。するとエルクには地の精霊の加護があることが判明する。しかも、その加護は後天的に得たものであり、先天的に加護を持つ者よりも、より強い力を持つ可能性があると言われた。
精霊との繋がりを感じたエルクは、同時にキリとの繋がりも強く意識した。
そして、自分の想いを彼女へと告げる。
「……俺はお前が好きだ。」
キリは、彼の真剣な瞳を見つめながら、戸惑いを隠せなかった。
キリの鈍感さを知っていたエルクは、静かに微笑んだ。
「お前に"好き"の意味を教えるのは、俺だ。」
それからキリはエルクと共に「好き」という気持ちを探し始めた。それは、最初に彼と出会った頃から、ずっと心の奥にあったものだった。
だが、エルクの帰国の日が迫る中で、彼がいなくなることを考えたとき、キリの心は強く揺れた。
(……エルクがいなくなるのは、嫌だ。)
それに気付いたとき、キリは自分の進むべき道を選んだ。
「私、エルクと一緒にいたい。」
しかし全ての精霊の加護を持つキリは、ただの一兵士としてフロストウィルへ行くことはできなかった。 ライムフォレストの王宮は、彼女の存在を外交の武器として利用することを決めた。
「私は政治の道具としてフロストウィルへ向かうことになる。」
それでも、彼女の決意は変わらなかった。どんな立場であれ、エルクと共に生きる道を選ぶことに意味があると思った。
こうして、キリは祖国を離れ、エルクと共にフロストウィルへ向かうことになった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-23 14:00:00
194768文字
会話率:44%
昔々、世界は何もない「無の海」に沈んでいた。そこには時間もなく、風もなく、ただ静寂だけが広がっていた。
しかし、その「無の海」の奥底には、いくつかの小さな光が揺らめいていた。その光は「精霊」と呼ばれる存在で、長い眠りの中で夢を見ていた。彼
らの夢は、空を飛ぶ鳥の夢、森に響くせせらぎの夢、大地を駆ける獣の夢──そう、世界の夢だった。
やがて精霊たちは目を覚まし、その夢を現実にすることを決めた。
炎の精霊─世界に太陽を灯し、生命の情熱を与えた。
水の精霊─大地を潤し、川や海を作り、生命が生きる場を与えた。
風の精霊─空に風を吹かせ、命が息をするための空気を満たした。
地の精霊─大地を固め、山や谷を作り、生命の足場を築いた。
光の精霊─闇を払い、世界に光をもたらした。
闇の精霊─光の影を作り、休息と静寂をもたらした。
こうして、世界が形作られていった。
しかし、精霊たちは気づいた。この世界にはまだ、笑い声も、歌声も、語り合う者もいない。世界は美しいが、あまりにも静かだった。
そこで精霊たちは新しく、ふたつの精霊を作り出した。
時の精霊─昼と夜を作り、季節を作り、世界に動きをもたらした。
音の精霊─物質の感情や思念を伝えるため、川のせせらぎや風のざわめきで世界に感情の豊かさをもたらした。
そして精霊たちは力を合わせ、一つの存在を作り出した。炎の精霊は心に情熱を、水の精霊はやさしさを、風の精霊は自由を、地の精霊は忍耐を、光の精霊は希望を、闇の精霊は夢を見る力を吹き込んだ。
こうして生まれたのが、人間だった。
そして、精霊たちは人々にこう告げた。
「我らはお前たちに力を与えた。しかし、その力をどう使うかは、お前たち次第だ。」
人々は誓った。精霊たちを敬い、世界を壊さず、大地とともに生きることを。
それ以来、精霊は目に見えなくとも、人々のそばにいると語り継がれている。
その精霊たちの力を強く感じ取れる人間が時折生まれてくる。その者たちは「精霊の加護を受けし者」と呼ばれ、精霊たちに与えられた力を使うことができるという。
「精霊の加護を受けし者」は普通、一人に一つの精霊の加護を持って生まれるが、ごく稀に「全ての精霊の加護を受けし者」が生まれることがある。
この物語の主人公、キリ・エヴァンスがその一人だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 14:00:00
209452文字
会話率:38%
冒険者の槍術士アルファーは「狭間の迷宮」と呼ばれているダンジョンを捜索するパーティーを率いていた。だが収入のほどは命の危険に見合っておらず、これは割に合わないのではないか、と気づき始めたころ・・・。
この作品は「異世界のガンガールは引き
金を引かない」 https://ncode.syosetu.com/n2467ib/ の中間スピンオフです。単体でも楽しめますが、ぜひ併せてお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-12 18:17:51
5495文字
会話率:46%
幼なじみの四人組冒険者パーティ「暁の刃」。リーダーで戦士のアーネスト、槍術士のヌーナン、盾使いのパルノフ、そして紅一点の魔導士エミリア。駆け出しの四人ですが、いつか伝説のスーパーパーティとなり、貧しい故郷を少しでもたすけようと、夢を大きく
持ってがんばっています。今回の「呪われた仮面」編では、エミリアに、女性だけの冒険者パーティ「白銀の翼」から参加依頼が来ます。エミリアは期間限定で「白銀の翼」に加わることになり、滅び去った城に隠されているという秘宝の探索に出発します。のこされた三人は、エミリアが「暁の刃」に戻ってくれるのか心配しながら、自分たちのクエストをこなしていきます。へなちょこでフラグ立てまくりの「暁の刃」の活躍をお楽しみください。
【作者敬白】この作品は、同じ作者の「アンバランサー・ユウと世界の均衡」のスピンオフです。「暁の刃」は、そちらでも活躍しておりますので、先に「アンバランサー・ユウ」をお読みいただけると、より楽しめるかと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-31 16:00:00
148618文字
会話率:37%
病室で死を待つ老人は、ある未練を持っていた。
平凡で幸せな人生とは別の、身を焼くほど憧れた人たちのように生きてみたいと。
輪廻転生の先、フィフタングと呼ばれる世界でそれを求める話。
あるいは、槍一本を頼みにする流離人が、極みとは何かを求め
、旅の中でそれを知る物語。
*出血、残酷描写があります。R-15。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-18 16:43:38
106613文字
会話率:15%
目覚めたらそこは薄暗い通路で、いるのはスライムだけの静かな空間。何故俺がここにいるのか、それ以前に何をしていたのかすら覚えていない。
そんなとき頭の中に響く声。【鑑定眼を取得しました】と。
行きなりの事で思考が追い付かない。
考える暇すらな
く、次はステータスが目の前に現れる。
本当に意味がわからない。
取り敢えずステータス欄を見るとそこには最弱職の【農民】と強力なスキルや称号。
何故こんな現象が起きたのか?全く理解が出来ない。でも1つだけ判ることがある。
それは今の俺には強くなれるチャンスがあると……
最弱職の【農民】から槍術士最強の【槍聖】に成り上がり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-31 07:07:34
109176文字
会話率:33%
学校からの帰り道、空から一本の槍が降ってきた。
「え、、、、」
偶然か必然か、其の槍に刺し貫かれてしまった少年”嵩樹”
彼が最後に見たのは自らの腹を貫く穂先であった。
彼は気が付くと真っ白な空間にいた
『すまない、人の子よ』
突然、どこから
ともなく声が聞こえてきた
空から降ってきた槍によって死んでしまった少年”嵩樹”は、神を名乗る存在によって異世界に飛ばされてしまう
≪彼はこれからどうなってしまうのか≫
≪彼は果たして生き残ることが出来るのか≫
嵩樹の異世界での人生が始まろうとしていた
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-05 15:00:00
46278文字
会話率:88%
20XX年【VRMMO】が大流行した。そんな中主人公が特に熱中したのは|【Wirklichkeit《ヴィルクリヒカイト》】と呼ばれるオンラインゲームだ。
このゲームはファンタジーゲームだがとてもリアルでありレベルやギルド、クエストと言ったも
のが存在せず従来のゲームとは一線を画す。
設定は中世ヨーロッパを元に構築されている。
レベルなどは無いが武器や防具は使う毎に熟練度と呼ばれるマスタリーがありそれを鍛える事により身体能力が上がったりする。
勿論ただのランニングも続ける事によりスタミナの最大値が増える。
そしてファンタジーゲームなので魔術も存在するがそれは精霊と契約しなければならずその難易度は途轍もなく高い。現にプレイヤーの総人口の2割しか魔術士は居ない程だ。
そんなゲームの中で主人公アレスは槍の達人として最強の一角に数えられて居た。
ある日アレスはいつも通りログインしていつも狩をする狩場を目指していると盗賊団に襲われて戦闘になり道を外れ森の中を疾走していると森の奥から濃霧が漂いその中に入ると意識を失い異世界へと転移して居た。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-21 04:37:54
29782文字
会話率:4%
《Last World Online》。今、最も人気のあるVRMMORPGの一つだ。
そして、このゲームをプレイするソロの銃士(ガンナー)、シレン。彼はある日、一人の剣士(フェンサー)と出会う。彼女の名前はツキノ。
シレンは、ツキノや仲間の
剣士(フェンサー)のワタル、槍術士(ランサー)のスズとカノ、拳闘士(ボクサー)のシズたちとともにギルドを結成し、≪Last World Online≫の世界を駆け巡っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-07 00:00:00
99012文字
会話率:43%