リーマン・ショックが起こった年の暮れ、早紀が勤める法律事務所に東京地検特捜部の家宅捜索が入る。容疑は非弁提携、逮捕状がだされた所長の信澤はそのときすでに逃亡しており、ひと月後に自殺体で発見される。事件は指定暴力団がからむ大がかりな闇金マネー
ロンダリング事件へと発展し、早紀は弁護士資格を失う。一年後、クリスマスでにぎわう銀座の街角で『よろず六法相談』の看板に火がともる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-23 11:19:15
8679文字
会話率:55%
厚木電装本社営業の堀田正俊は、厚木電装本社工場の荻原重秀生産管理係長から暴力を受けてこれを叩きのめす。会社側は過剰防衛を唱えて堀田正俊を左遷させようとするが、正俊は弁護士を立てて会社に非を認めさせて退職金を得て退職する。長野の実家に帰って
父が経営する運送会社で働く正俊は、森田リンゴ園の一人娘智子と再会し相思相愛になり結婚する。
一方、荻原は正俊に暴力をふるったのが原因で厚木電装本社工場生産部をクビになり、下請けの溝端バッテリーの工場長に、妻の多恵は溝端バッテリーの出荷管理に勤務が決った。何かかおかしいと荻原は思った。
厚木電装本社工場では貢献度が高い下請け企業に対して、不良品の返品伝票があれば、不良品にも支払いがされ、帳簿上で処理された不良品は、回収されて分解され、再生産に使用されていた。
荻原が調べると、厚木電装本社工場では、不良品の現物が無いのに溝端バッテリーからの受入れ部品数が深夜に改ざんされてそれに見合った支払いがなされ、溝端バッテリーでも、辻褄が合うように改ざんがされているのがわかった。
厚木電装本社工場で荻原は生産管理をしていた。妻多恵は外注部品の受入れ管理担当だ。全ての帳票に、荻原と多恵の確認印があるが、二人は不良品を良品として扱った事実は無く、コンピューターに詳しい者が納入品データを改ざんしたと思われた。荻原は不正な支払いの主謀者に仕立てられたのを実感し、厚木から長野へ行って正俊に会って相談する。
荻原が長野へ行っている間に、溝端バッテリーの溝端浩造社長が自宅で刺され重体になりその後死亡した。厚木署の田上刑事が荻原に容疑をかけるが正俊の証言で荻原の容疑は晴れた。その後も田上刑事は正俊に、荻原と溝端バッテリーと厚木電装本社工場の関係を尋ねた。正俊は智子とともに事件を推理して田上刑事に知らせた。
正俊の助言で、刑事たちは「厚木電装本社工場と溝端バッテリーの納入品に関する不正工作」が国会議員が絡む、不正な政治献金事件と曝き、事件は東京地検に移された。
正俊の助言で田上刑事は溝端浩造宅の周囲を再捜査した結果、燐家に住む溝端浩造の元愛人の園田ふみ子が、息子の父親が溝端浩造だと思いこんで、息子の将来を溝端浩造に相談して無視された復讐で、溝端浩造を刺した事が判明した。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-18 08:00:00
67624文字
会話率:38%
対話型AIの研究のために、チャット類型のデータを蓄積するという目的で行われるチャットのバイト。割は悪いが仕事は簡単。ところが、東京地検特捜部がやってきた。一体何のために!?
※「カクヨム」にも掲載しています。
最終更新:2023-04-16 14:09:12
1763文字
会話率:40%
元新聞記者で出版社に勤める私(山沢)はうつ病により休職中だ。唯一の生き甲斐は離婚により母親に引き取られた娘との二週間に一度の面会。時代はちょうど昭和から平成に変わっていた。
山沢は自宅アパートで引き籠りの生活を送っていたが、編集を担当し
た作家の最上由春からしばらく匿ってくれと頼まれ受け入れる。由春は、山形の別荘で自殺に見せかけ殺害された経団連副会長で総合商社最上産業社長最上慶太郎の息子で、殺害現場にいた重要参考人となっていた。由春は「父親を殺してはいない」とは言うものの、警察に事情を話すことを頑なに拒否した。その事情とは最上家や最上産業が根底から覆るようなことだという。山沢は事件に関わるのを避けるためあえて事情を聞かなかった。
山沢が娘との面会の関係で仕事に復帰する必要に迫られて出社した日、由春は警察の訪問を受けて仕方なく事情聴取に応じた。聴取から戻った由春は、知り得る事情は話さなかったと言うも、昔いたフランスに逃げたいと弱音を吐く。
翌日も出社した山沢は東京地検特捜部への出頭を要請される。そこで、朝まで一緒に居た由春が行方をくらましたことを伝えら、由春が話した内容を聞かれた。由春は殺人事件だけでなく地検が捜査している大物政治家への違法献金事件にも深く関わっていた。山沢は由春の唯一の友人として検察と警察から捜査への協力を要請され、事情が分からないまま二つの事件に関わらざるを得なくなった。
意を決した山沢は、この事件に関わる事を決意し、自ら真相に迫っていく。
次第に明らかになるのは、戦後のドサクサで業績を伸ばした新興商社の闇、その商社との政権与党の大物政治家の関係、そして、時代と運命に翻弄されて踠き苦しむ人の悲しいサガだった。
昭和が終わり平成が始まる時期を舞台にした、ハードボイルド小説。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-19 11:34:00
80019文字
会話率:72%
帝都ドアーズの社長である志野村洋司と、対抗馬のIT企業であるアイスオーエッジを経営する俺は、互いに東都大法学部を出た後、都内のビルで小ぢんまりとしたオフィスを構えながら、会社経営をしていた。志野村をハメる形で彼の部下である西郡大に八十万人分
の顧客データが入ったフラッシュメモリを渡し、個人情報が流出したことで志野村は東京地検へと連行される。そしてその俺も思わぬ形で検察の餌食となるのだが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-30 16:04:03
2409文字
会話率:42%
九月の下旬、M市内にある民自党衆院議員の佐藤研一郎の地元事務所に、東京地検特捜部の家宅捜索が入った。捜査班のチーフの皆木が陣頭指揮を執り、特捜の一員である俺も捜査に加わってガサ入れする。佐藤は二年後の二〇一五年に市内に建設が予定されていたレ
ジャーランド着工の便宜を図る見返りとして、ゼネコンの古谷工業から二億の金を小切手で受け取った疑いが持たれていた。俺たち特捜は捜索のため、動き続けていたのだが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-09-26 14:20:48
2472文字
会話率:56%