碧紫神社の境内に並ぶ仲見世通りには、五坪に満たない小さな空き地がある。
彼岸と此岸の境目にあるその空き地では、碧紫神社とその神域に祀られているカミサマの眷属である白犬と白狐、そして白蛇が店員を務める茶房――高天原茶房が営業をしているのだ。
高天原茶房はお勤めしているカミサマが高天原からお茶をしにきたり、井戸端会議をすませたりする会場になるほか、悩みを持っていたり地に足が付いていなかったりするニンゲンが迷い込んだりする喫茶店だ。
カミサマたちは迷い込んだニンゲンから相談事を受けるのが大好きな割に、面倒くさいことは眷属に任せる適当っぷり。
白犬、白狐、白蛇はお客のオーダーを叶えるため奔走するけれど、彼岸の者のドタバタは此岸の世界も巻き込んでしまうから大騒ぎになることもしばしばだ。
さて、そんな茶房に今日もひとりのニンゲンが迷い込んできた。
彼は長く付き合った彼女との結婚を、とある理由から躊躇っているという。
遊びに来ている噂話が大好きな縁結びの女神がしゃしゃり出ると面倒だ、と白狐はやんわりと話を終わらせようとしたけれどそうは問屋が卸さない。ちゃっかり聞いていた女神は早速縁結びを企み始める。
時給アップをちらつかせられた白犬と白狐、白蛇は彼を躊躇させる原因を取り除けという女神の頼みを受け入れるが――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-06-21 20:00:00
22178文字
会話率:47%
あれは、1994年の事でした。
バブル崩壊後に、苦労して就職した牛丼チェーン店でのお話です。
初めて就職した牛丼チェーン店では、従業員のほとんどがアルバイトだったのですが、その中で少しずつ仕事を覚えていくとアルバイトの教育をするように店
長から言われたのです。
単純な仕事や心得を教えるのは容易ですが、社員はアルバイトの士気を高める為に、時給アップの検定をなるべくやってあげるのが、いい人間関係を築けるコツでした。
その中で、少し謎の項目があったのですが、それはお味噌汁に関するものでした。
その時のエピソードを短編にしました。
それでは、本編にお進み下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-04 12:34:46
984文字
会話率:9%
高校を卒業したが就職先がない昼間檪(くぬぎ)はバイト先を探そうとWebサイトへ。そこに<お嬢様のお世話をしたい人待ってまーす!条件家事全般できる人住み込みで働ける人教えるのが得意な人です。時給2000円程頑張り次第で時給アップします!>それ
を見て檪は「執事バイトで募集とかどういうことなの?」怪しみながら時給の良さと得意の家事が生かせるのでバイトに応募してみることにした····折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-30 21:25:06
1011文字
会話率:42%
心の病に悩む結婚願望を持つ30才の女性。
明るい将来が見えない……友人たちが幸せな結婚や出産、子育てを送る姿に焦りを感じる私。
少女時代、夢見ていた白馬の王子様は、どこに行ってしまったの?
そんな時、突然現れた訪問者。
悩みを解決す
る糸口をつかめるのかしら……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-13 13:53:17
2353文字
会話率:25%