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静かな放課後。
他人との関係を極力避け、孤独を好む高校三年生・如月真白は、校舎裏の誰も知らない鉄扉をくぐり、誰にも触れられない世界へと降りていく。
そこは、世界中の迷宮を統括する地下中枢制御室。
彼女の正
体は、迷宮すべての罠・敵・構造を操る唯一の管理者だった。
感情を押し殺し、ただ黙々と維持業務に徹する日々。
感謝も共感もいらない。誰にも期待しない。そう決めていた。
——その声に出会うまでは。
毎日のように迷宮に侵入してくる、銀髪の少女。
軽やかに罠を避け、モンスターを倒し、カメラに向かって笑いながら、言う。
「やっほー、管理人さん。今日もナイスな配置だね!」
ふざけている。軽すぎる。無遠慮だ。
それなのに、その声が、笑顔が、どこか懐かしい。
心の奥底に眠っていた記憶。
幼いころ、迷宮事故に巻き込まれ、命を失いかけたあのとき——
自分を救ってくれた、“あの手”のぬくもり。
思い出せない顔。忘れてしまった名前。
けれど、声だけが、感触だけが、真白の中で静かに残っていた。
侵入者のログが流れるたび、心が波立つ。
管理者としての理性と、少女としての記憶が、交錯していく。
これは、再会の物語。
かつて一度だけ出会い、二度と会えないはずだったふたりが、
世界の形すら超えて、もう一度“出会い直す”物語。
塩対応管理人JK × 陽キャ侵入者女子。
百合と記憶と迷宮が織りなす、再会と赦しと恋の、長編ファンタジー。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-09 00:00:00
13533文字
会話率:12%