【識】。
空想を現実に変える力場の名前だ。
それを利用して、不思議な術を使うのが【術士】というらしい。
伊国久義の人生に、そんな奇妙奇天烈な用語が混ざり始めたのは、これまた奇妙奇天烈な紆余曲折があったからで。
そんな紆余曲折の中
から、当の久義があえて一つ、重要なイベントを選ぶのだとすれば、やはりそれはあの瞬間になるだろう。
あの瞬間。
今にも泣き出しそうな鼠色の空から、雨ではなく、日々木歌子が降ってきた瞬間。
あの瞬間に、彼の非日常は織られ始めたのだ。
術士としての、非日常が。
拙作『抉じ開ける彼我』をリライトしたものになります。十万字前後で終わる予定です。
毎週金曜日あたりに更新できればと思います。できなかったらごめんね。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-08 21:09:56
57490文字
会話率:35%
開けるのを躊躇うのは怖いから。
最終更新:2020-03-13 03:48:13
574文字
会話率:0%