「春は綺麗ですか」季節は産まれ 季節は循環し 季節は時に殺される
季節は巡る。
《夏》には燃えるような日差しに勢いよく緑を繁らせて、赤や黄に錦をなす《秋》が終わると雪が舞い、《冬》が終わるまで大地は静かに眠りにつく。そうして待ちこがれた《
春》になれば、若葉が芽生え、美しい花が咲き群れて、大地を埋めつくすのだ。
季節は循環する。それが、理である。
だが、時にはその循環が妨げられ、季節が滞ることがある。
季節のとまった地域を訪れて、季節の循環を修正するものがいた。
季環師 KIKANSHI
季環師は季節と人を結ぶ調停者である。
季節とは生きものである。それらは生物のかたちを取り、それぞれの地域に生息している。ある地方では冬は氷に覆われた狼で、他の地域では美しい女の姿をしているという。地域ごとに異なるかたちをした季節がおり、そうした季節はみずからの出番が巡ってくるまでは眠りに就いている。
季節は生きている。
故に季節は死に、時には殺されることもある。
季節は基本、人とは係わらない。
だからこそ季環師が季節を観測し、意志の疎通をはかって、循環を修復するのだ。
ある山峡の町には長きに渡って、春が訪れていなかった。
雪に孤絶された町に ひとりの《季環師》が相棒たる《美しき少女》と共にたどり着いたところから、物語は幕をあげる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-14 16:39:20
34938文字
会話率:43%
江畑灼弥(エバタシャクヤ)は、いつだって退屈な日々が続くものだと思っていた。高校2年の始業式の日。そんな日常に、突然の歪みが生じる。
ある男子生徒の自己紹介の時。挙動不審な彼を中心として、世界がモノクロに染まり、人が消え、そして――男
子高生は俺の目の前で、化け物になってしまう。俺はどういう訳か、それが創り出した心の外界(ヴォイド・ダンジョン)と呼ばれる空間に巻き込まれてしまう。
けれどそこに居たのは俺と、化け物だけではなく。
小柄で水色髪の高めな位置のサイドテールな、同級生にしてクラスメイト、泉ヶ丘雷華(イズミガオカライカ)もまたそこにいた。
彼女は、どこからともなく刀を取り出し、ひとり色喰らいに立ち向かう。
しかし強大すぎる色喰らいに彼女は苦戦を強いられ――俺は彼女を助けるべく、身をなげ出し、彼女を庇うのであった。
――それでも、女の子を。泉ヶ丘を助けられてこの命が果てるなら、それは悪くない……と思う。
――これは、江畑灼弥とヒロインたちが、心の中のダンジョンで色を奪う怪物と戦い、心の主を救い、色喰らいの核心に迫る物語だ。
――って、は?ステータス画面は紙にプリントアウト?!
ってこれ……TRPGのキャラシじゃねーか!
概略
TRPG×ダンジョン×一昔懐かしいライトノベルな作風をめざしました。
主人公がヒロインと共に心の世界に入り込み、ダンジョンの主を倒して、心の主を救う優しい物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-25 10:35:47
47564文字
会話率:36%
私にとって懐かしいライトノベルについて、少々語ってます。
最終更新:2018-05-08 22:15:13
966文字
会話率:0%