数奇な人生に翻弄されながら生きてきた一人の男が出逢ったのは、まるで一輪の花のような人だった。
裏の世界で生きてきた彼にとって真夜中に出逢った彼女はあまりにも儚く美しく……そして強かった。
彼女との出逢いが彼をどう変えていくのか……そし
て彼との出逢いで彼女の人生は……
不器用ながらも大切な人を守ろうとする彼の愛は彼女にどう伝わっていたのだろうか。
そして彼女が最後に彼に残したものとは……
必然のような偶然の出逢いで彼の人生は変わって行く……
そして偶然で始まった日々は偶然のような必然の別れを迎える。
出会いに理由は無く、別れには理由がある。
そんな当たり前の事を再認識させられる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-20 18:36:35
43554文字
会話率:52%
人の繋がりを引き裂く一番の要因は、距離でも言葉でもなく、『時間』である。
「僕」である新山は大学生の夏、ある女性に心を強く惹かれる。とても暑い京都の夏だ。
一目見た瞬間、僕は彼女を撮りたいと思った。それもどうしようもなく。
そして僕らはいつ
も一緒にいるようになる。
しかしそれは3ヶ月限りの、夕立のような関係だった。
彼女が世界から消えた。
彼女は3ヶ月しか同じ時間の流れにに止まれない体質だった。3ヶ月ごとに、無数に分岐したパラレルワールドの彼女は一つに収束され、全く異なる別の時間の流れに飛ばされる────。
それは必然の別れであった。しかし、僕は彼女の写真を見て、必ずたどり着こうと決意する。
後にも先にも進めない時間の中で、必死に彼女へ手を伸ばす、そんな大学生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-04 19:25:07
28900文字
会話率:52%
詩です! 悲恋の先にどこか希望があるような。それでいて流れゆく人生、過ぎ行く人生はの終わりは、やがて来るという。そういう詩です。
最終更新:2016-04-07 12:04:51
601文字
会話率:100%
信者や周囲の人にも好かれる人のよさそうな青年が仕える教会。
その告解室に一人の少女が現れる。黒い髪にも服を思わせる黒のワンピースに黒いタイツ、黒い靴。黒いヴェールのような髪飾り。
少女の顔を知らない人間はそれこと今、この国にはいないだろう。
最近ようやく救出された誘拐事件の被害者だ。犯人が射殺されたことでも有名なその事件の当事者は小さな骨壺を抱え、己の話を聞いてほしいと青年に告げる。
告解とは呼べない、許しなど乞いはしないただの話。青年は少女の話に耳を傾ける。
幼い恋の始まりと終わり。幻想的な二人の生活。どうしようもない必然の別れ。幸せの終わり。
少女は告げる。理解はしてもらえなくてもいいのだと。ただ、これを託すことができるのはあなただけだと。
聖職者である青年はその骨壺を受け取り、祈りをささげることを誓う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-14 00:57:09
9325文字
会話率:13%