渋谷の地下鉄駅で偶然会ったのは、美人で聡明そうな女性なのだけれど、どういうわけか、言葉が出てくるのがものすご遅い。
そんな彼女と小さな関わりを持つことになった「僕」は、とまどいながらも彼女と言葉のやりとりを重ねていくうちに、いつのまにか、そ
れまでとは違うゆるやかな時間が、自分の中で流れ始める・・・
まだスマホもケータイも、メールもスイカもない頃、男と女はこんなふうに出会ったり別れたりしていたと思います。でもそんなに昔のことじゃない、たぶん昭和が平成に変わったころのお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-13 20:05:03
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会話率:39%