どこかで海を求めてしまう
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最終更新:2022-11-12 08:51:34
203文字
会話率:0%
数年前、東京湾と太平洋を完全に別つ大突堤が造られた。長い時間をかけ、そこからすべての海水を吐き出し、広大な干潟にし、都心に広大な土地を誕生させた。人々は都心に完成した新規の国土を『空き箱』と呼んだ。
その新しい土地から利益を取り出
そうとする者たちの思惑が重なり『空き箱』の開発は停滞した。そのうえ、土地は広大で管理が行き届かなかった。
権利者たちの主張の衝突によって混乱している間に、『空き箱』には様々な人間が流れ込んでいった。それは移民といえた。結果的に、それらの者たちによって、『空き箱』には小さな自治区のようなかたちが形成されていった。やがて、あるひとりの男が、それらをまとめひとつに束ねてゆく。そして、奥地に小さな独立国のような存在が誕生した。
その男のことを皆、約束の土地を人々にもたらせる存在に似せて『或って或る者』と呼んだ。『或って或る者』のなかでは『或って或る者』は、絶対的存在であり、大陸の法律からも除外されたかのようにあり、恐れられていた。
主人公、清志郎は、どんな人間でも眠らせることが出来る、ねむり一族の末裔を謳っていた。
清志郎の家系は、眠れない者から依頼を受け、特別な方法で、如何なる人間でも眠らせることを生業としてきた。安眠の提供や、それ以外の眠りも実現させる一族だった。
だが、清志郎の家系は本物のねむり一族の末裔ではなかった。代々、ねむり末裔だと偽りつつ、眠りを売って生きて来た一族だった。そして、現代に残った唯一の偽りの末裔である清志郎は、偽りの一族だと知りながら、現代でも、その一族の末裔として、どんな人間でも眠らせることを謳い、生業として生きていた。
ある日、清志郎のもとへ電話がかかってくる。電話の相手は少女で、彼に助けてほしいという。電話で少女は「わたしもねむり一族の末裔だ」と話す。
少女の名はハルノ、十二歳彼女は『空き箱』から逃げ来たと清志郎に話す。
そして、彼女を守ることは『或って或る者』との戦いを意味した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-24 16:00:00
108130文字
会話率:32%
千葉県市川市にある行徳鳥獣保護区。筆者は夫蓮尾嘉彪(2008年1月26日没)とともに1975年12月からこの保護区の一角にある行徳野鳥観察舎で働いてきた。1979年の発足以来、保護区と観察舎を支えている行徳野鳥観察舎友の会の機関誌「すずが
も通信」に、日々の仕事や生きものとのふれあいを連載してきたが、1996年はじめまでの内容(100部分)を前作「鳥の国から」にまとめた。本稿はその続編となる。
1995年度から行徳鳥獣保護区では千葉県による大規模な再整備事業が実施され、筆者らは長年の念願であった水鳥の住みやすい湿地環境づくりをめざして活動を続けた。もっともダイナミックな時期が本稿となる。失敗を繰り返しながら、1歩でも半歩でも前進して行こうとする足取りをぜひご覧いただきたい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-20 07:00:00
126873文字
会話率:9%
筆者は千葉県行徳野鳥観察舎に1975年12月から勤務しており、現在もボランティアとしてかかわり続けています。1992年から2000年まで、日本野鳥の会東京支部(現在は日本野鳥の会東京)の機関誌「ユリカモメ」に掲載した観察舎や行徳鳥獣保護区、
水系を中心とした環境改善の取り組みなどを、許可を得て転載いたします。字句等には一部修正や書き込みを加えました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-11 07:00:00
159167文字
会話率:13%
普通の社会人、干潟海路。まぁそんな一般人が色々あって転生した世界で繰り広げる冒険の物語である
最終更新:2017-11-12 08:57:16
1681文字
会話率:76%
魔法使いである「僕」は死んだ。何の変哲もない一軒家で、しかし干潟で死んでいるのだという。
どうやらその不可思議な状況は、「僕」の心のいびつなありようから生まれてきたものらしい。
「僕」の心は、いったいどのような欠陥を持っているのか。
「僕」
は自己分析を進め、一つの答えにたどり着く。
――たどり着くのだが、結局は――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-07 04:12:34
1753文字
会話率:0%
舞台は異界の「日本」。「大正」の中頃とおぼしき時代。そこは「マモノ」と呼ばれる特殊能力を持った者が存在する世界である。
雪の中を追われる女が一人。女はマモノであり、そして孕んでいた。滝の上に追いつめられた女に向けて放たれた一発の銃声。だ
が滝壺に落ちた女を助けたのは銃を放った男、丹波だった。しかし、女は女児を産み落とし、姿をくらます…。
女児は雪華(ゆきか)と名付けられ、丹波の友人花澄無常(はなずみむじょう)の娘として育てられる。丹波は「魔弾」の射ち手、無常は「手刀」の使い手として裏の世界ではつとに名を知られた存在だった。雪華は無常に「手刀」を教え込まれながら、美しく成長する。
しかし、平穏な暮らしは長く続かない。雪華十三歳の夏の夜、刺客に突如襲撃され、無常は殺される。危機一髪難を逃れた雪華は、下総浦益(うらます)の侠客杉戸松五郎の許に預けられ、その養女となる。
だが、雪華十七歳のある日、突如浦益の地に「帝国グランギニョール一座」なる集団が現れたことで、またも雪華の平穏な日々は無残に崩されてゆく。その首魁竜宮寺大助は村長や警察所長、はては国会議員まで抱き込み、一大総合テーマパークを浦益の地に建設する計画をぶち上げ、その障害となる杉戸松五郎を抹殺する。仇を討つため敵地に乗り込んだ松五郎の息子平之助。それを助けに向かった雪華。雪華は負傷しつつも虎口を脱する。そしてたどり着いた病院で、雪華を待っていたものは…。
雪華の女学校の親友をも殺害した敵は、ついに浦益の干潟に「帝国グランギニョールランド」なる一大テーマパークを建設する。その開園前夜祭の壇上に上がったのは、いまや強大な必殺技を身につけ、かつ背中に華麗な刺青を背負った雪華であった。雪華の凄絶な復讐の時が始まる…。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-24 07:00:00
152899文字
会話率:42%
鮎川 里桜(あゆかわ りお)はいつも不安定な彼氏 玲途(れいと)に度々暴力を振るわれていた。
そんな時、いつも気にかけてくれる高校教師、干潟 竜也(ひがた りゅうや)と偶然町で出くわす。
最終更新:2011-12-28 22:16:26
312文字
会話率:42%