ラクロアは生前の記憶は無いが、前世と同等の知識を有する覚醒者だった。
人間には本来存在しない背中から生えた『魔翼』によってラクロアは自身が人族からどのように見られているのか気付き始めていく。
ラクロアを優しく見守る魔族、人族の大人たち。
様々な人々に囲まれながらトリポリ村で過ごすラクロアは不自由なく暮らしを続けていた。しかしラクロアは自身の『魔翼』を巡り、人族、魔族が巡らせる一つの思惑、その渦中に立たされている事に気がついていた。
「ラクロアは、何になりたいの?」
少女から寄せられた願いの籠った疑問を受け、人族と魔族の関係、自分に寄せられた期待、自身を取り巻く環境と、様々な陣容にに思いを馳せながら、ラクロアは自分が生まれた意味と、生きる目的をゆっくりと探し始めて行く。
人族と魔族、文明と社会構造、時代の大きなうねりの中で魔族は如何にして人族との宥和を図るのか。人族は魔族の手を取り、共に歩む事が出来るのか。世界の在り方を糺そうとする者達が蠢く世界で、ラクロアはただ漠然と、何者にも縛られず、広く、大きな世界を求めて歩み出す。
これは、少年が自らの意思で世界を知ろうとする物語。
僕たちは未だ自分が何者になるのか、何も知らない。
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毎日更新中! シリアス王道ファンタジーです! 四十万文字程執筆完了中、順次更新して参ります! ご評価、ブックマーク何卒よろしくお願い致します!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-23 16:00:00
667932文字
会話率:40%
アイカワ・タダミチは、魔術師である。
父も母も、祖父も祖母も、魔術師である。
過去の大戦の影響により、帝国という巨体を保持できなくなったローマは解体され帝政ローマ連邦として新たに再建された。
時代は、2017年。グローバル化と再建されたロー
マ連邦の友好条約締結へ向けた宥和政策により、大日本帝国上層部はある提案を受け入れることにする。それは、魔術協会所属アイカワ・タダミチとローマ連邦所属の貴族との政略結婚である。
そして、彼女は来た。この日本と言う地に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-26 07:00:00
53297文字
会話率:44%