平成が終わった翌年、魔物と呼ばれる獣が何処から来たのか世界に降臨した。
魔物は人を『食料』として認識し、ソレを捕食した。人類の抵抗は考え、国を作るという方法で魔物からの脅威から耐え凌ぐ道を選んでいた。
その国の一つに、衛巴《まもる
ともえ》という国があった。場所は大阪の北側に位置し、山岳地帯の山を削り取り国を作り上げてたのがソレである。
だが、衛巴には重大な欠陥があった。
『資源が無い』
お金も資源も不足しているこの衛巴は、建国後王となった衛と王妃の巴が管理していたが人には寿命があり、二人にもソレがついに訪れようとしていた。
巴は遺書を残し、齢八十にしてこの世を去る。衛は長寿で、建国時は二十四歳だったが丁度この国で九十九年が経ったある日、ついに寿命を迎えた。齢百二十三歳まで生きた衛は、巴の遺書と自分の遺書を信頼のおける重鎮に渡し息を引き取った。
その遺書の中にはこう記されていた。
同じ名前のやつを王に任せてみよ。
一万強の住むこの国、衛巴内で一斉に同名者探しが始まり、選ばれたのが二人の青年と少女であった。
資源もお金も圧倒的に足りないこの国を再建する、そんな小さな小さな物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-07 21:05:38
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会話率:57%