「だからさあ、先祖の想いとか、そういうのがよくわからないんだよねえ。期待されても重いっていうかさあ。“おもい”だけに」
『……ええ、わかります』
「妙な間があった気がするけど、まあいいや。困っちゃうよねえ。まあ、向こうも困ってるだろうけ
どさ。僕なんかに全人類の想いを託しちゃってさ」
『ええ、わかります』
「そこはわかっちゃダメでしょ。励ましてくれないとさ。いえいえ、そんなことありませんよ、あなたは素晴らしい人間ですってさ」
『いえいえ、そんなことありませんよ』
「…………いや、続きは!? ただの否定に終わっちゃったよ! エバ、ほんと君はダメなAIだなあ。この宇宙船の船長である僕をもっと大事にしてくれないとさあ。どうするのさ、僕が病んで首でも吊っちゃったら、人類終わりだよ? 僕が最後の地球人なんだからさ」
『はい、自称船長』
「自称って……あ、もしかして自傷と掛けてる? ははは、しないよ、自傷行為なんて」
『ええ、私も見たくありません』
人類が地球を離れたのは、数百年前のことだった。技術の粋を結集して建造された宇宙船、『ドーンオブホープ号』。生き残った人間たちはそこに乗り込み、環境破壊によって居住不可能となった地球を捨て、新天地を求めて宇宙へ旅立ったのだ。
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最終更新:2025-05-21 11:00:00
3237文字
会話率:59%
宇宙船で旅をしている途中、宙賊に殺された男、ランドルフ・ラヴクラフト。
次に目覚めたら骸骨の魔物になっていた。
船を奪われ、宙賊に復讐を誓った彼は、高度に発達した古代文明の遺物、”人型生体魔導兵器”【ルルイエ】と”旧き箱舟”【混沌の玉座(ケ
イオス・レガリア)号】と出会う。
復讐を果たし、彼女を仲間にしたランドルフは、幽霊船のようなボロボロの宇宙船で星の海へと乗り出す。
彼らは、辿り着いた先の数多の世界の数多の文明に、狂気と混沌を撒き散らす。
己の信念に従って敵を殺し、時には助け、ランドルフは成長と進化を繰り返していく。
少年の頃の憧れ――英雄戦隊モノの特撮番組に登場する悪の組織の幹部『幽玄提督閣下』のような立派なアンデッドの船長になるために。
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不定期更新です。
感想には返信しませんのでご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-12 22:10:29
233840文字
会話率:45%
死んだ人間の記憶と思考パターンを記録した記憶装置と、とある宇宙船の船長の思考。
最終更新:2013-02-18 00:00:00
3382文字
会話率:24%