「婚約を破棄しよう、シャルロット・ローズレイ」
夜会の途中、公爵令嬢シャルロットは、婚約者のレオン殿下から婚約破棄を告げられた。
相思相愛で過ごし続けてきた彼女にとっては、彼の目的がわからない。
一つだけ確かなことは、自分を大切にして
くれる彼が、自らの意志で裏切らないということ。
そこに、二人の仲を引き裂くように聖女グレースが現れると、事態は急変する。
浮気しているとか、聖女をいじめているとか、男癖が悪いとか……。
偽りの出来事ばかりが並べられ、シャルロットは悪役令嬢の地位を確立してしまう。
何が起きているのか混乱するシャルロットだが、レオン殿下に婚約破棄を言わせたことくらいはすぐに察した。
「私たちを陥れるなら、大きな代償を払うことになるわよ」
「あはっ、人聞きの悪いことを言うのね」
騒動の発端となった聖女グレースの嘲笑う姿と、愛するレオン殿下の真剣な眼差しを見て、シャルロットは誓う。
愛する婚約者を奪い返し、腹黒聖女に裁きを与えよう、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-28 13:15:15
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