『服毒して生き残ったら王太子妃になれるって本当ですか?』の後日談です。短編ですので、前の作品を読んでいなくてもお楽しみ頂けます。
王太子のルートロックには婚約者アラマンダがいる。彼女は服毒しても生き残れる知識と賢さを持ち合わせた豪気な性格
の持ち主でとても聡い。王太子妃になるアラマンダは、婚儀の前に『聖獣召喚の儀』を執り行う。ここ数百年、王太子妃となる女性で儀式に挑んだ者はいるが、ことごとく失敗をしており聖獣を召喚できていない。アラマンダはそのこと理解した上で、召喚の儀に臨んでみたのだが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-14 07:13:42
7817文字
会話率:42%
現在ではリンシードを南の民と呼ぶ。これは北の民ペトロールに対応する言葉だ が、本来リンシードといえばヨーシュダ紀元前七世紀に勃興した王朝の名称だった。リ ンシード王朝の領土はホルベイン大陸の中央砂漠地帯以北と推定される。惑星ブレイア におい
ては歴史に残る最も古い王朝だが、その実態は今も神秘のベールに閉ざされてい る‥‥‥
(第三世代ブレイア統治官の調査報告書より抜粋)
(1)憂鬱な前夜祭
リンシード暦三二八年オルトスタ王の二六年。
リンシード王国は辺境に反乱が続発し、大いなる変化の気配が濃厚だった。
青猫の月第3の黒の日、秩序の回復と体制の安定を求めて、王都リンシードでは第一王位継承者イア姫とタル・シニャック大公との婚儀が行われようとしていた。
ところが婚儀前夜祭の夕刻、何者かによって王女イア姫は誘拐されてしまう。
王女の初恋の相手でもあり、シニャック大公の弟でもあるラングーン城主ソルは王女の牙犬タロスとともに王女追跡を命じられる。
兄と王女への複雑な想いを胸にソルは魔の樹海「モアブの森」へと乗り込む。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-22 12:25:31
109898文字
会話率:44%