高度な科学力は一瞬にして人類を栄華の道から衰退の道へと突き落とした。
星は膨らみ、異形が生まれ、人類の大半は死滅した。
しかし人は滅びなかった。
過去の栄華、栄光の残り火に集まり、集落作り群れとなって再び繁栄しようと根を下ろした。
そ
してそこから長い時が経った。
世界は人を排そうとはしなかったが急激な変化は人類を脅かし続けていた。
そんな中、世界には奇妙な品々に魅入られ、あるいは魅了され、時にはそれそのものとなった変わり者達がいた。
それらはまるで導かれる様に旧世界、もしくは変動前と呼ばれた時代の乗り物に乗って世界中を回り始めた。
とどまることを許されず。風や水の様に永遠と世界を回ることを強いられた。望まれた奇妙な品々の持ち主達はいつしか『ワタリビト』と呼ばれる様になった。
これはそんな奇妙な運命に魅入られてしまった男の旅の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-22 13:00:00
8429文字
会話率:35%