夢で見たのはこの世に生を受ける前の記憶らしいもの。そこでは神様は大根畑を耕していて、好きな大根を選ぶよう促された。
選んだのは「ものすごい美人〈ちょっと足かせ付きかも〉」な大根。
夢に見たとおり、美人だから何かあっては危険と塔に軟禁され、足
かせをつけられてどこにも行けない人生を送っている領主令嬢はもうすぐ二十歳。十代をずっとひとり塔に囚われ生きてきた。
夢のとおり〈ちょっと足かせ付きかも〉なら、もう終わってもよいはず。足かせを外し、外に出たいと父に願った。
父はひとつ、条件を提示する。足かせを外すための条件は曰く付きのある人との婚約だった・・・折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-22 01:21:15
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会話率:51%