俺はジャスパー・ベルモンド。
斜陽貴族の次男坊。
ベルモンド家は王家の血を引いていると親父は誇りにしているが、本当だろうか。眉唾だ。
とりあえず、一つ年下の許嫁であるコニールとイチャイチャしてお気楽に暮らしていられれば、それでいいや。
そう
思っていた王立学校に通う俺の人生はある日を境に劇的に変化した。
四十年の長きにわたってリーズラーン王国を治めていたロイス三世の突然の崩御。
国内に動揺が走る服喪の期間に、ベルモンド家に王宮からの使者が現れる。
政権の重役の席が回ってきたかと胸を高鳴らせる親父の期待を冷たく踏みつぶすように使者は俺の名前を呼ぶ。
「ジャスパー・ベルモンドよ。新国王陛下の『異腹の双子』として生涯をかけて陛下に使えよ」
異腹の双子とは、つまり国王陛下の影武者のこと。
市井から存在を抹消されて、一生、影武者として陛下の傍で暮らすわけ。
使者が帰ると、親父は烈火のごとく怒った。異腹の双子に選ばれるような馬鹿者は親でも子でもない、って。
影武者としていつ死んでも良い、何の取り柄もない凡庸な人間として国に選ばれた不名誉な人間をベルモンド家から出してしまったことに親父は怒り心頭だ。
母さんは、突然息子が家から出てしまい、会えなくなることに泣き崩れる。
学校を退学して、王宮へ出仕することになった俺は、気持ちの整理がつかないままコニールのもとへ。
だけど、そこでコニールが他の男と乳繰り合っているのを目撃してしまう。
コニールは開き直り、笑顔で俺に別れを告げる。
俺の人生って何なんだろう。
絶望から始まった影武者生活。
だけど、同い年の新国王ロイス四世陛下は俺を気に入ってくれて、
俺を無二の友人として接してくれる。
国王と一緒にいる影武者だからこそ見られる景色。
国王と一緒にいる影武者だからこそ体験する事件。
喜び、悲しみ、寂しさ、悔しさ、空しさ、おびえ、楽しさ、勇気。
毎日がワンダフルデイズ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-07 18:11:11
381897文字
会話率:37%
軍事大国のマデレーナ王国に四人目の王女が生まれた。国王と美貌の子爵夫人の不倫の末に生まれた不義の娘、エミュリアは生まれてすぐ国王の親友である辺境伯のもとに預けられる。国王が情事の発覚を恐れたためであった。戦上手な辺境伯に実の娘として育てられ
たエミュリアが、伯爵に憧れ、そしていにしえの建国の戦女神と呼ばれる女王に憧れる。伯爵もそんな娘のため、将来の側近をして、同年代の子供を広く集め、幼馴染として一緒に暮らさせる。エミュリアと子供たちは友情と好意をはぐくみ、エミュリアはその中の一人と将来を誓い合うのだった。
マデレーナは豊かな国のため、周辺国がマデレーナを狙っている。その周辺国の工作員に誘拐されそうになったエミュリアだったが、将来を誓い合った幼馴染の働きによりエミュリアは工作員の手から逃げることができたが、幼馴染はエミュリアの安全と引き換えに幼い命を散らしてしまう。エミュリアはそのことを容認できず精神を病んでしまい、寝たきりとなってしまった。事ここに至り、エミュリアを療養させるため、ようやく行動を起こした国王が自分のもとに引き取る。離宮で静養したエミュリアの精神が元のようになり、さらに強い意志を持ち、大陸を統一し、女王となるまでの物語。
エミュリアは王女になったのはつい最近のことで、療養していた時はただの客扱いでしたが、見る人が見れば、国王とエミュリアはよく似ており、隠し子だと噂されていました。国王は女人にはだらしない男です。エミュリアは養父である辺境伯を今でも父として慕っています。血のつながった国王はただのエロ親父という認識です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-23 02:31:29
136290文字
会話率:53%