主人公のミストは死霊術師。
彼のような黒魔術系の職は300年前から続く魔獣被害の拡大もあり、風当たりはよくなかった。
そんな彼は、街に魔獣が寄り付かないように『魔祓いの儀式』を行う条件で、ワイズマン辺境伯が屋敷に住まわせてくれたのだ。
しかしある日の夜、『街に結界を張れる聖女がやってくる』という理由で用済みとなったミストは、ワイズマン卿の差し金で森の奥深くで殺害されてしまう。
自分を拾ってくれた恩人に裏切られ絶望の中、ミストは死んだ……かと思われた。
「え、あれ? 俺……剣で貫かれたはずなんだけど?」
「自身に高度な死霊術を、それも無意識に……! ミスト様は素晴らしい方です!」
自身に使えないはずの死霊術が無意識に発動し、森で出会った吸血鬼の少女の協力(治療)もあり、簡単に生き返った。
『死』を体験したことで、ミストの死霊術師の実力は極限まで高まったのだ。
魔獣の中でも最上位である吸血鬼の少女、ベアトリスともあっさり契約が出来るほどに。
「太陽の下を歩けるように……ミスト様、貴方に忠誠を誓います。これからはこのお屋敷で一緒に過ごしましょう!」
「……めちゃくちゃでかくない?」
ミストはベアトリスと共に、森の奥深くの屋敷で暮らすことになる。
元の持ち主は死霊術師らしく、ミストはそこに残された魔導書の内容を吸収し、森の魔獣達と触れ合いながら日々を過ごしていく。
一方、ワイズマン卿の屋敷では、ミスト殺害に関わった人間が次々に衰弱していく事件が起きていた。
それは『蝕みの呪い』と呼ばれ、優秀な死霊術師が殺された際に発動する道連れの呪いだった。
更に、聖女が街に結界を張っていても魔獣が朝昼晩問わずやってくるようになった。、
ミストの『魔祓いの儀式』が予想以上に強力だったのだ。
――これは、一度殺された死霊術師が森の中で魔獣達を従えつつスローライフを謳歌する物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-09 12:48:53
8661文字
会話率:40%
【大幅加筆で書籍化!角川スニーカー文庫様より二巻が2018年8月1日発売です!】
かつて奴隷から成り上り、魔法使いの頂点と称される大賢者となった英雄ジークフリード。
そんな彼も40を過ぎ、戦いの第一線からは退き、政治の中心人物として国王の
補佐をしていた。
しかし、ある日ジークは右腕だったギルバルドに嵌められ、国王暗殺を企てた汚名を着せられた挙句、力を奪われ『還らずの森』へと放逐されてしまう。
地位も名誉も奪われ、森を彷徨う彼。
そこで偶然、瀕死の美しい少女と出会う。
「――あなたの血を、分けていただけませんか?」
彼女は吸血鬼だった。
「二リットルとは言わず、全部持っていけ」
死ぬつもりで、そう言った。
けれど、彼は死ななかった。
目が覚めると彼は若返り、吸血鬼になっていた。
全盛期の肉体を取り戻したジーク。
圧倒的な魔力の量。
ギルバルドにかけられた魔封じの呪印も、一瞬で葬り去った。
こうしておっさんから少年へと若返った最強の賢者は、助けた少女とともに、ギルバルドへの復讐を誓う。
かつて【ゼロの大賢者】と呼ばれた男が正体を隠し、再び【ゼロ】から這い上がる。
最強賢者による、人生二度目の成り上り冒険譚。ここに開幕。
「……お……おい小僧……お前、何者だ」
「ゼロの大賢者……なんて言っても、誰も信じないよな」
☆2018年3月23日 コミックウォーカー様にて試し読み漫画が公開されました!
☆一巻発売中です!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-29 20:58:07
189814文字
会話率:29%