吹奏楽部でクラリネットの演奏に熱中する高校二年生の響子、彼女の吹奏楽部はコンクールで毎年全国大会にも出場する強豪校で、部活に明け暮れる毎日だった。それが、ある日、唐突に終わりを告げる。父親が、響子の伺い知らぬ事情で、母親の元にはもう帰って来
なかったからだ。
二学期の終わりの冬、母娘だけの生活となった響子は、頑張っていた部活を諦め、遣り切れない思いのまま、かつて母親が暮らした信州宮山に移り住むことになった。
転入した宮山北高校で、彼女の様子を心配した吹奏楽部顧問の三沢の後押しもあり、響子は再び吹奏楽部に入部することになった。宮山北高は歴史の古い高校だったが、吹奏楽部は校内の部活カースト最下層の弱小部活。三沢は過去に吹奏楽の強豪校での指導経験もあったのだが、彼の頑なな思いからコンクールへは出場すらしたことがなかった。
響子は、新たな部活の仲間と意気投合して、弱小部活なりの充実した学校生活を送っていたが、そこで、思いがけず、友人たちの不条理な過去、家族や友人関係の葛藤、そして部活への思いを共有することになる。
春、合唱部との合同演奏会で、響子ら精鋭メンバーで演奏したアンサンブルがきっかけで、コンクール出場への機運が高まる。躊躇していた三沢も意を決し、結束してコンクールへの過酷な練習に突入した。響子は、厳しい練習の最中、同級生男子部員との淡い恋愛、自分自身の出自への疑念、運命的な異母兄妹との出会いを経て、仲間との絆を深めていった。
多感な女子高生に突如訪れた家族関係の危機と、転校という大きな環境の変化、本作は、学校吹奏楽という若々しくも刹那的な音楽と部活の仲間との熱い人間関係を通じ、雄大な宮山の自然の中で、困難を高校生らしい瑞々しい感性で懸命に乗り越えようとする青春ストーリーである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-30 00:39:40
116999文字
会話率:52%
この世界ではありもしないことが時々起きています。そんなことは奇跡に等しいです。それが、私の吹奏楽部二年目にしての物語。
アニメやマンガで起きそうな事が日々どこかで起きています。
日記のようだけど内容は周りから見てみれば非現実の塊……そん
なことがこの世では起きているようです。
そんな私は、ソロもできない駄目クラリネット奏者。まあ、いつかソロも出来るようになるか……。
この物語はほぼフィクションです。音楽分からないとか思っている人も読んで頂けると幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-08 22:48:05
171348文字
会話率:13%
そこは、歴史ある実業高校にある吹奏楽部。
毎年十五人前後の小編成で、県大会出場を目指し、日々練習に励んでいる。
全国的な注目度も薄い。地区の合同演奏会でも大編成の学校に何となく軽んじられている気がする……。
これは、単なる劣等感?
そん
な部の部長、剣崎聖の視点で、三月上旬から大会が終わるまでの『弱小吹奏楽部の夏』を描く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-16 14:16:02
4378文字
会話率:21%