王都イストレージャの南東の方角にある交易都市カレンデュラ。
三方をペリル海に囲まれたその美しい都市は、交易都市の名に恥じない経済の中心地だった。
そこに齢二十六にして多くの富を築いた商人、アイディンがいた。
彼はある日案内人ドゥーダに連れ
られた王家の付き人に命じられる。
「この国一番の宝を持て」
そして時をほぼ同じくして彼の前に現れた目見麗しい押し掛け弟子のエルヴァン。
エルヴァンは言う。
「私は知りたい。この国を潤わす術を」
都市一番の商人アイディンと世間知らずの弟子エルヴァンの出会いはここカレンデュラに何を起こすのか。
小さな経済学術所、ここに開講――。
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