抜け出せる場所が欲しかった。自分なりに頑張っても、なかなか上手くいってくれないから。そんな自分なんて好きになれるわけがない。そんな自分から解放される場所が、すぐ隣にあるとは思わなかった。
そんな世界があってくれたのがあの時、本当に、本当に嬉
しかった。わがままなくらい寄り添ったと思う。望んだ通りの自分の姿へ生まれ変わらせてくれる。自分を好きになってくれる人がいてくれる。苦手なことが得意になって、それを思う存分発揮することもできた。大人数で貶(おとし)めてくる奴らを蹴散(けち)らすことだってできた。思いがけない未来の成り行きが、望み通りになってくれたおかげで。代償のいらない魔法を使ったかのように、記憶が材料になってくれたおかげで。
だから今は、もう十分だと思えた。
寄り添って失ったものもあるけれど、寄り添いながら現実で、頑張ってこれたから出会えた人がいた。
その人と今でも一緒にいられる、い続けることができる。だから嬉しくてたまらない。
だから許せない。今まで寄り添ってきた、その場所を餌(えさ)にして、脅(おど)して操ろうとしてくる奴らが。
目の前にいるそいつが、櫻(ぼく)は許せない。
この女の子は、その場所を餌にして、兄のために人柱になれと脅してくる。
僕は許さない。絶対に従ってやらない。
ここに、一緒にいたい人がいるんだ。そのみんなと一緒にいられる空間こそ、永遠に続いて欲しいんだ。
この気持ちを壊されてやりはしない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-02 09:55:56
47419文字
会話率:19%
大竹櫻(おおたけおう)は、腕脳(わんのう)によって現実を再現化させられる魔法使いの空間の中で、人工山脈都市内のスケート場を再現化させて藤谷(ふじたに)たち友達と遊んでいたが、突然、現実と魔法使いの空間が融合した空間へ、少年の蓮司(れんじ)
に連れ去られた。すると今度は引きこもりだった小学生の頃を蒸し返され、さらには銃まで向けられる。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-25 20:02:03
180735文字
会話率:21%