「気づいたんだね。
……うれしいよ。ずっと、君を待ってた。」
最初にそう言ったのは、
白い服を着た少女だった。
冷たいようで、どこか優しい目をしたその人は、
まるでずっと前から、僕のことを見ていたようだった。
──うっすらと、気づいて
はいた。
この世界は、少しだけおかしい。
誰もが穏やかに暮らし、争いも悲しみもない。
でも、なにかが“整いすぎて”いる気がした。
きれいで、静かで、完璧な日常。
なのに僕だけが、その中に立っていると、
どうしようもなく「ずれて」いる気がした。
みんなが見えていないものが、僕には見えてしまっていた。
それでも、ずっと気づかないふりをしていた。
少女と出会ってから、
世界の輪郭が、少しずつ歪みはじめる。
存在しないはずの場所に現れた扉。
知らないはずの光景に、なぜか覚えがある感覚。
そして僕は、彼らと出会う。
この世界を見つめる「観測者たち」と。
「ここは一度終わった世界だ。
君にしか、この結末を選ぶことはできない」
どうして僕なんだろう。
ただ生きてきただけの僕に、そんな役目があるのか。
でも――
あの日から、心の奥で鳴り続けていた違和感だけは、
たしかに“本物”だった。
これは、生きることを忘れた世界で、
観測者たちに導かれた僕が、
たったひとつの答えを探す物語。
選ばなければ、選ばされる。
だから僕は、選ぶ。
もう一度、この世界を終わらせるかどうかを。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 20:30:00
3680文字
会話率:8%
むかし……母からよく冒険譚を読んでもらった。
〜〜この世界には『天空の迷宮』が存在し、大空には無数のダンジョンがひしめきあっていた〜〜
〜〜遥か空の彼方には、火山が噴火し、宙に水が浮き、大きな熱帯雨林が広がったかと思えば、極寒の氷の洞
窟が姿を現す〜〜
〜〜そして、その頂に存在するのは【光の迷宮 アルフヘイム】……そこを攻略せし者は“勇敢なる者”——【勇者】と呼ばれ……光の精霊が『祝福』を与え、どんな願いも叶えてくれるとされている〜〜
〜〜数多の冒険者は光に憧れ果敢にも大空を目指した〜〜
これは、その冒険譚の一節。
だけど……これはフィクション。あくまでファンタジーだ。
この冒険譚は、ど田舎暮らしのしみったれたクソガキだった僕——“ウィリア”の興味を大きく刺激し、何度だって母にせがんで読んでもらった。
だがな……
僕ももう15になった。立派な大人さ。
夢と現実の区別くらいはつけられる。
僕が憧れたのは冒険者なんて非現実の『夢』ではなくて……都会で暮らしてみたいという現実的な『夢』さ。
あの冒険譚は好きだけど……いつまでも子供じみた夢に憧れていてどうする?
だから、現実的な夢を見て都会にまで出てきたんだ。
さて……これからシティーヒューマンになるための僕の物語が始まる。
はずだった——
「あれはラストダンジョン。光の迷宮アルフヘイムだよ!」
「……はあ?」
道ゆく男性の足を止め、質問を投げかけると返ってきた答えがコレである。
いざ、都会に憧れ【大都市シルフ】へとやってきた僕だが……常に既視感に襲われていた。
冒険者はフィクションではなく実際に存在してた。摩訶不思議な城と一体化する塔もそうだ。
それで……
「ちょっと待ってください? あれがアルフヘイム? 頂上につくと光の精霊が祝福してくれる??」
「あれ……なんだ、知ってるじゃないか君?」
「うそ……だろ……?」
男性はあの塔のことを光の迷宮【アルフヘイム】だと言った。
だけど……僕の記憶が正しければ……
あれは……
【チュートリアルダンジョン】であるはずなのだ。
これは、僕だけが……
知る事実——
♢小説情報補足♢
・1話大体2000文字。
・主人公【ウィリア】がおくる一人称視点。
・この作品はオリジナルです。
・カクヨムにも投稿されております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 13:03:21
205285文字
会話率:37%
夢の中で、何度も出会う誰かがいた。
顔も知らない。言葉も交わしていない。
それでも僕は、彼女を探していた気がする。
いつからなのか、なぜなのかも分からないまま、
ただ静かに、確かに願い続けていた。
けれど現実の僕は、何も持たず、どこにも進
めずにいる。
動けない日々のなかで、ひとつの光だけが胸に残っていた。
それは誰にも知られず、
誰にも理解されず、
けれど僕だけが信じ続けてきた、
“ある夢”の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 07:02:42
8137文字
会話率:2%
僕の名前は、山木新太郎 17歳の高校二年生だ。
今年の夏休みに父親の故郷じいさんの住む山里へと帰郷中である。来年は高校受験もあるので今年の夏休みで父親の故郷に行くのは僕の高校生活の中では最後の機会だ。
まぁ、夏休みと違って正月にお
年玉を貰いに行くには当然のことだけどな。
両親の二人共が急な仕事の都合で一緒に行けなくなり急遽僕だけが先に行くことになった。毎年両親と一緒に行ってた訳だが、今年は急に一緒に行けなくなったので何度か僕だけでも行ったこともあるし、もう高校二年生だから一人でも問題ないだろうと判断されたからだ。
どうして、日程を変更して一緒に行くことにしなかったのかって?
それは、夏祭りの花火大会が目的だからだ。折角、じいさんの所に行くんだから花火大会ぐらいは楽しみたいってことだ。それ以外に楽しめる行事なんて田舎の山里にありもしないからな。
電車を使って近くの町まで行き、そこからバスで更に山里へと向かう。バスの停留所の裏から少し危険だが崖のある山道を進めば徒歩なら時間を短縮出来る近道がある。
その崖のある近道を通っていると僕は足を滑らせてしまった。まさか、道にバナナの皮が急に現れるなんて考えもしなかった。そう。僕はバナナの皮で滑って崖下へと落ちてしまったのだ。
「そんなバナナ~」が僕の最後の言葉だった。
気が付くと・・・私は幼女になっていました。
第一章完結 予約投稿済み
第二章完結 予約投稿済み
第三章執筆中 予約投稿済みもあります。
※※この作品は予約投稿にて行っています※※
毎日の閲覧出来るように挑戦中です。
短い文章ですが、どうぞお付き合いください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-25 07:00:00
550727文字
会話率:1%
ごく平凡な中学一年生の男子、鈴鬼小四郎。
彼は、ひょんなことから妙な空間に迷い込み、その中で地球を侵略せんとする悪の軍団と戦う、黄色いお姫様のような格好の少女と出会う。
※当作品は少年視点で描いたプ●キュアの二次創作みたいなラブコメで
す折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-21 08:11:15
504681文字
会話率:47%
現代学園で、漫画みたいな異能力を得たぜ!と思ったら人狼陣営1人 VS 村人陣営300人 のあまりにも理不尽すぎる超設定人狼ゲームだった!
これは“最弱すぎる人狼”が、破滅フラグとループの呪いを乗り越えて世界に喰らいつく、加護と呪いのループ劇
。
> 本作はカスタムGPTの会話体験、複数のループ系・人狼系・心理戦作品からインスピレーションを受けて執筆された“インスパイア型オリジナル作品”です。内容・設定・人物等は筆者による再構成であり、いずれの既存作品の正確な再現・二次創作を目的としたものではありません。
※検索用:カスタムGPT/超能力/バトル/ChatGPT/会話型AI/インスパイア/人狼ゲーム/ループ/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 21:00:00
18491文字
会話率:20%
クラスで授業中、突如現れた光の魔法陣——それは転生の合図だった!
興奮した僕は、新たな世界での冒険に胸を膨らませていた……が、
目を覚ますと、なぜか【餅】になっていた!?
しかも最初に出会ったのは、僕を食べようとする人間の家族!?
命から
がら逃げ出した先で、森の精霊と出会い、
声と顔を授かり、ようやく“会話のできる餅”へと進化!
クラスメートたちは、それぞれ剣士、魔法使い、帝国の士官など華やかな道を選んでいく中、
僕だけが、ただの餅。
……だけど、諦めない!
努力と幸運を重ね、仲間と共に村を築き、
「のんびりと暮らす」という夢を叶え始めたその時——
世界は、少しずつ“おかしく”なっていく……。
これは、転生した餅が村を作り、気づけば魔王になっていた、ちょっと愉快でちょっと不思議な物語!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 10:25:12
15100文字
会話率:35%
『愛されない彼女たちを僕は』
――男がほとんど存在しない世界で、僕だけが彼女たちに優しく手を伸ばす。
朧げな前世の記憶を持つ青年は、気づけば檻の中にいた。
そこは、男性が極端に希少な世界。
女性たちは競い合い、報われず、静かに傷を抱えて生
きている。
そんな世界で、彼は“愛されなかった”女性たちと出会っていく。
――年齢だけを理由に恋愛から遠ざかった令嬢。
――他人に媚びず、気高さゆえに誤解された貴族。
――戦場で心を凍らせた老練の女騎士。
――男性に絶望し魔道を探求した魔女。
「この世界で、誰にも愛されなかった彼女たちを――僕は」
これは、たったひとりの優しい青年が、愛されぬまま生きてきた彼女たちに“何か”を与えていく物語。
あべこべ風ファンタジーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-09 18:22:38
36605文字
会話率:31%
真面目な生徒会長である白露(しろつゆ)先輩に露出願望があることを、生徒会書記の僕だけが知っている――。
最終更新:2025-06-30 18:34:10
14195文字
会話率:45%
でも、それは「護る」ではない。ただ「囲う」だけ。自由を奪い、逃げ場を奪い、僕を「彼女の檻」に閉じ込める動作に他ならない。
最終更新:2025-06-28 04:30:00
9366文字
会話率:28%
月城ユウト: 高校2年生。成績は中の上、運動も得意ではないが、並外れた観察眼と、他人の気持ちに寄り添う誠実さ、そして「秘密は絶対に守り抜く」という堅い口止め力を持つ。地味で目立たない存在だが、その心の奥底には、自分だけの特別な存在を見つけた
いという静かな願望を秘めている。物語が進むにつれて、彼自身の「誰にも言えない秘密(例:家族関係の悩み、過去のトラウマなど)」がうっすらと示唆され、ヒロインたちとの共感へと繋がる可能性も。
舞台: 県立星見高校。ごく普通の進学校だが、多様な個性を持つ生徒たちが集まる。
「秘密を守る代わりに、特別な信頼(と好意)が生まれてしまう」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 21:39:24
107879文字
会話率:5%
みんな黙っているが、このクラスで異世界転移していないのは僕だけっぽい
みんな黙っているが、このクラスのみんな特殊能力を持ってるっぽい
それに気が付いたのは、隣の席の勇田(いさみだ)さんの頭に角が生えているのを目撃したからだ。
僕はそれを黙っ
て観察している。
この日をきっかけに、クラスみんなの秘密を僕は知る事になるっぽい。
これは日常が非日常になったけど、そんな非日常の中わりと普通の日常を送る、僕とクラスメイトの話だ。
あれ?巻き込まれてる??折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 15:58:12
13668文字
会話率:60%
狭霧高校に通う高校2年生『木下璃斗』は、持病を抱えている妹『木下彩花』を救うべく、常に彩花のことを考えている。そのせいで、璃斗には友達がおらず、窮屈な日々を過ごしていた。そんなある日、璃斗は独特な雰囲気のある古本屋を見つけた。その店の店長
は医師でもあり、妹のためになる有益な情報を提供してくれるが——折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-09 20:59:41
2191文字
会話率:47%
「もうバレたなら、もっと楽しんじゃお?」
普通で平凡なはずの高校生活。
だけど、交通事故をきっかけに電車通学を始めた俺は、ある秘密を知ってしまった——。
学校では地味で大人しい「地味子先生」。
でも、電車の中でだけ見せる姿は、まるで別人のよ
うな誘惑的な美人だった!
秘密を共有するたびにドキドキが止まらない。
からかわれて翻弄されて、気づけばどんどんハマっていく。
「先生、そんな顔、反則でしょ……!」
誰にも言えない秘密の関係が、俺の日常をひっくり返していく——。
この作品はカクヨムでも投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 19:09:28
14025文字
会話率:35%
ブックマーク・評価・感想いただけるとモチベーションあがります!気軽にお願いします。
長谷川翔(はせがわかける)は、隣の席の女子がアイドルをやっていたらしいということを偶然知る。どうやら、他の人はまだそのことを知らないようだ。唯一クラス
の女子の秘密を知っている高1男子の話です。
2日に1回は更新を行う予定です(可能なときは毎日行っています)。
※誤字脱字等気がついたものがありましたら気軽に報告お願いします。必ず目を通します。
2020/6/2追記 お話としては完結しているのですが、この後何か追加されるエピソードがあるかもしれません。その際、また投稿させていただきますので理解お願いします、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 22:38:12
168351文字
会話率:31%
誤字脱字等気がついたものがありましたら気軽に報告お願いします。必ず目を通します。
徳島県でローカルアイドルをやっていた前田夏樹(まえだなつき)は、高校進学にあたり横浜に引っ越す。もともとはアイドルのことを隠して高校生活を送るつもりだった
。しかし、ひょんなことからクラスメイトの一人、長谷川翔(はせがわかける)にアイドル活動の事がバレてしまう。前田夏樹は他の人にバレることなく高校生活を送れるのか……。
スマートフォンでも読みやすいように、1話は1000字前後で更新していく予定です。
また、2日に1回は更新を行う予定です(可能なときは毎日行っています)。
※当小説は、自作小説「僕のクラスの女子が元アイドルだったらしい件 〜僕だけが知っている、彼女の秘密〜」(https://ncode.syosetu.com/n4984fz/)のセルフスピンオフ作品となります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-12 20:12:21
119690文字
会話率:29%
僕だけがしる、僕だけの想い
君に届けたいがためにひたすら願う
最終更新:2025-05-12 21:53:11
3192文字
会話率:69%
転生を繰り返す世界に生まれた僕は医師の言葉に固まった。
それはこの人生で僕が【死ぬこと】だ。
死生観もないこの世界に取り残されたようなグレイブは、最愛の両親が転生してしまい天涯孤独となった車椅子のミッシェルと出会った。
自分の境遇とミッシェ
ルを重ねて、少しでも誰かの役に立つ人生を送りたいと思い、ミッシェルに歩くリハビリをしないかと提案する。
そしてひたむきに頑張る彼女の姿に惹かれていくグレイブ。いつしかミッシェルに恋焦がれるようになる。
転生を繰り返すこの世界でミッシェルは「グレイブ⋯⋯私、あなたと結婚したい」と切り出された。
幸せいっぱいの2人の目の前にはある転機が訪れる。
グレイブは車道に転がっていくボールを追いかける男の子を救いたいと、トラックの目の前に飛び出したのだった――
2月投稿の短編作品「平凡なごくありふれた平民クレアの人生」([日間][週間]総合1位獲得)の二角が送る感動の物語です(新短編作品)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-19 15:10:00
13280文字
会話率:16%
僕だけが持つ特殊能力。≪異世界アシスタント≫
「この能力で世界の危機をお手伝いする…ってそんなことできるかい‼」
この物語はとある一般男子高校生、風深 橘〈かざみ たちばな〉の人生を変えていく、超カオス的異能力異世界ストーリー!
異と異の
かけ合わさった世界で橘はどう生きていく?
期待してますよ、橘クン。
あ、ちなみに今回の転生先はここらしいですよ?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-02 19:26:02
22086文字
会話率:36%
「伍⦅あつむ⦆、お前とは家族の縁を切ります」十八歳の誕生日に母からそう告げられる。主人公の伍は芸能一家である天ヶ咲家の七姉妹を裏方として日々支えてきた。しかし、優れた才能がなく、おまけに男であるという理由からいないものとして常に扱われ、つい
には家から追放されてしまった。本人は芸能界から離れて普通の学園生活を送ろうと決意するのであったが、転校先の氷の女王と呼ばれる美少女が実は推してた人気Vtuberであることが発覚したり、アイドルや俳優/女優、モデルが伍のもとへ推しかけてきて仕事のサポートをお願いしてきたり、さらには自分と同じ学校に転校してきたりして、自分が望んでいた普通の青春から遠ざかっていくのであった。なぜなら、家族や本人が気づいていないだけで伍は類まれな才能の持ち主であった。自分の力に無自覚な伍は、彼の実力を知っている様々な美少女たちが自分を推してくれることで、徐々にその力を世間に知らしめて周囲から認められることで、新たに自分の居場所を見つけていく。
その一方で、優秀な裏方だった伍が去ったことにより、芸能一家は芸能界での居場所を徐々に失い、没落の一途をたどるのであった……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-16 21:09:28
214953文字
会話率:45%
主人公に、なれやしない。
主人公である"僕"が主体の、なんのオチもない、パッと瞬間的に思い付いたお話です。実は1割だけ、作者本人の本当の話がありますが、皆さんのご想像にお任せしますね。
最終更新:2025-02-01 02:59:43
1943文字
会話率:7%