『三番線、まもなく扉閉まりまーす。駆け込み乗車はおやめくださーい。はーい閉まりまーす』
「はぁはぁはぁ、ふぅ……あ」
その車両に乗り込んだ瞬間。おれは時間が止まったように感じた。針のような視線を突き付けられ、呼吸をすることさえも頭の
中から消え失せた。
そして電車のドアが閉まり、動き出そうとした瞬間。全ての楽器が音を外した最悪の演奏会のような不快な悲鳴が、おれの鼓膜を引っ掻いた。
おれがそのショックと電車の揺れでよろめき、反射的に手を伸ばすと女たちは、まるで保菌者かゾンビと相対したかのように、さらなる悲鳴とそしていやに尖ったヒールを履いた足で、おれに蹴りを放った。まるで足元をゴキブリが駆けまわっているかのように喚きながら足を上げ、倒れたおれに向かって執拗に振り下ろす。おれは堪らず亀のように体を丸め目を閉じた。
「おやめ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-12 11:00:00
4023文字
会話率:63%
健康保菌者問題って厄介ですよねー
最終更新:2022-09-20 20:11:07
464文字
会話率:0%
近頃、生き物が突如として凶暴化・異形化するという未知のウイルス《MONSTER》によって引き起こされる事件が多発している。
その天敵とも言えるウイルス《WITCH》の保菌者《キャリアー》である大槻彰は、《MONSTER》に侵された生き物を救
う為、今日も《魔法少女》を発症させていくのであった。
※R15と残酷描写有りは保険です
※タイトル変更しました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-18 07:00:00
16374文字
会話率:34%
2029年、日本政府は「保菌者」問題に頭を抱えていた。ついに日本政府はMCC(保菌者管理省)を設立。保菌者に両親を殺された過去を持つ主人公、相賀賢人(あいが けんと)は自分のような被害者を減らすため、MCCの仲間と共に保菌者に立ち向かう。【
この物語はフィクションです。実在する人物、団体とは一切関係ありません。】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-05 03:32:06
3170文字
会話率:17%
幼馴染みである小野香織がいなくなった。
最後に会ったのは俺。
だけど俺はそのことを誰にも言えないでいた。
何故なら最後に会ったその時、俺は香織を酷く傷付けたから。
万が一香織がいなくなったことと、それに関連性があるのだとしたら。
そん
な風に周りに疑われてしまったら。
そう思ったら恐くて。
大切な幼馴染みよりも保身を選んだ。
その日からおよそ一月。
俺のスマホに香織からゲームアプリの招待状が届く。
『ナイトウォーカー』
命懸けのゲームが、始まった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-04 12:10:51
13497文字
会話率:16%
可もなく不可もなく、順風満帆な大学生活を送る優(すぐる)はある日飲み会の道中パンデミックに会ってしまった。襲われる優と元康、感染者となった元康を殺してしまった優はショックにより元康として成り代わり生きていた。
保菌者(キャリア)となった優は
3週間の間1人で感染者狩りを行っていたが、浩平と出会う事で自我を取り戻し行動を共にするのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-15 05:37:32
57036文字
会話率:36%
神代縁は自らのことを最低の人間だと思っている。
壊れたものや壊れそうなものを見ると、それを美しいと思う。
それが例え人間であっても──そう思う。そんな感性の人間だからだ。
だからこそ、というべきだろうか。縁はとある妄想に囚われていた。
自ら
の感性に相応しい真性の化け物になりたい、と。それが縁の本当の望みだった。
そして、縁は自らを化け物とするかもしれない可能性に出会う。
それは、異常保菌者(バグ)と呼ばれる存在だった。
この世界のバグと出会い、縁はこの世界の外側から、自らの意志を世界に介入させる能力を得る。
そして、その能力を持つ人間が逸人と呼ばれる存在だと教えてくれた水城鏡という女性に案内され、異常保菌者対策室と呼ばれる組織へと縁は身を投じる。
縁はその組織の中で、当たり前の人間としての温かさに触れた。
けれど、それはひとときの安息に過ぎず、縁は自らの中にある獣性を満足させることもなかった。
その獣性が度々顔を出しても、それをまるで怖がらない鏡に縁は不満を感じていた。
しかも、その理由が人間として信用できるからだ。それが、とても、縁には不快であった。
けれど、鏡を狙う異常保菌者、尾賀龍也が鏡の近くに現れたことによって状況は一変する。
鏡の養父であり、その親心から鏡が一人でも生きていける力を付けさせようと異常保菌者の能力に縋った龍也。
その存在の禍々しさに戦慄しながらも、鏡を守るために縁は異常保菌者になりかけている龍也と戦う。
戦いは苛烈なものとなり、縁は龍也を倒すことが出来ないことを知る。
そして、縁は自らの名前ともなった人と人との繋がり、それを断ち切る力を手に入れたことによって状況を終わらせる。
けれど、それは自らを慕ってくれた鏡との縁を断ち切ることでもあった。
それを覚悟して、縁は鏡に自らの能力によって作り出した武器で鏡を貫いた。
それは自らの中にある獣性と再び真正面から向き合う日々の始まりであり、縁は精神が摩耗していくのを感じていた。
かつて自らが浸っていた幸福というものが、如何に自らの獣性と向き合うこの日常の中で大切なものなのかを知った縁。
そんな縁に対して、世界は皮肉なプレゼントを用意していた。
逸人としての力によって、自らを救った存在との出会いを求めていた鏡との再会。それを果たし、縁は自らの中にある心を吐き出す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-12 08:06:17
128046文字
会話率:33%