皇帝だった父親が崩御し、その跡を継いだはいいものの、四年弱で弟にその地位を簒奪され殺されてしまった。
もう二度と皇位に関わるような家には生まれたくないと願ったのに、産まれた先はまさかの……。
それも、タイミング悪く男児の中では長子とし
て生まれてきてしまった。
このままでは将来、また皇帝にされてしまう。
親王になるまでは我慢できたものの、皇太子に冊封されるのは絶対に避けたい。
そのために、それらしい理由を考え、画策し、どうにか円満な話し合いの元、皇宮から逃げ出すことが出来た。
向かった先は江湖。
武侠が住まう領域。
その中でも最大の勢力を誇る鳳琅閣《ほうろうかく》で修業できることが決まった。
立派な薬術師になり、その実績をもとに放浪を続け、父には諦めてもらわなければならない。
そんな期待を胸に師匠と出会った初日に、どういうわけか正体が露見してしまった。
師匠はいわゆる普通の人間ではなかったのだ。
正直に話すしかない。
皇帝になりたくない理由を前世の思い出と共に師匠へ話すと、なんと協力してくれることになった。
やはり、会話は大事だ。
そして時は過ぎ十二年後。
弟が皇太子として冊封されることが決まった。
まさに順調そのもの……、の、はずだった。
師匠の元へ、皇宮に勤める太監から「お話したいことがあります」と連絡があったのだ。
「皇太子の冊封に、重大な問題がある」と。
そして太監の話を聞いた師匠は、それをすべて教えてくれた。
それでも、皇帝になるわけにはいかない。
無理だ。絶対に。
だから、別の方法で国を救うことにした。
少々荒っぽいが、もうこれしか選択肢はない。
国を、亡ぼすのだ。
※カクヨムにも併載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-11 23:00:00
127919文字
会話率:47%
使い魔として働く魔獣達の労働環境改善を訴える声に応えて設立されたのが、ここ魔獣労働基準局である。
今日も主人との関係に悩める魔獣達が門戸を叩く。
最終更新:2019-01-06 22:35:08
2409文字
会話率:20%
昔々あるところに雪の様に白い肌を持ち、血の様に真っ赤な唇を持った美しい姫がおりました。女の子が幼い頃、お母様であるお妃様が亡くなりお父様は塞ぎ込んだ姫を案じ、新しいお妃を迎えました。
姫はとても喜びました………「ンな訳あるかぁ〜いぃっ!!」
元ネタは弟(当時3歳)への読み聞かせに対する姉(当時8歳)のツッコミから。
他者との作品と被らない事を祈ります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-14 12:00:00
28046文字
会話率:32%