遠い遠い未来。人類は地球から別の恒星系へと旅立ち,数世代かけて居住可能惑星にたどり着いた。しかし,そこにたどり着いたのは,宇宙で子を産み育てた「宇宙世代」ではなく,冷凍冬眠技術によって眠りにつき,目覚めた者たちだけだった。やがて近恒星間航
行が可能となり,惑星連盟という緩やかな共同体が成立しても,宇宙空間で子孫が生き残れなかったという惑星移住世代の心の傷は深く,宇宙で子をなすことはタブーだった。商船団が恒星系間を行き交い,内乱や戦争が宇宙空間で行われるようになったころようやく時代は変わり始めた。宇宙での出産が相次いだ。地上の人は宇宙で一生を終えることはできない。たとえ,宇宙空間で子をなしても,心身の限界により,親は地上に帰らなければならない。宇宙空間で生まれた子が地上で生きられる技術もなかった。このような不運な子らは「宇宙孤児」と称された。これは,「宇宙孤児」の誕生からさらに数百年未来のお話。第2章スタートしました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-21 23:27:23
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