辺境の大商会ハイニー家の両親は体の弱い妹クラーラを溺愛し、姉エステルは放任されてきた。それでも婚約者テオとの未来を支えに努力してきたエステル。しかしクラーラの部屋で仲睦まじく抱き合う二人を見てしまう。両親も、そしてテオの両親も愛し合う二人を
認め、エステルの気持は顧みない。誰も彼もが都合良くエステルを利用するだけ。絶望したエステルは町を彷徨い、とある看板を目にする。
「国軍兵訓練所・志願者受付中」――あの人達のいないところへ行きたい。でも自分一人ではどこにも行けない。国軍なら力ずくでどこかへ連れ去ってくれる。エステルはそう思った。
ゆるふわ美少女妹に婚約者を寝取られた不遇姉が軍に入って商家の経験を生かしてそれなりに認められて出世して新しい恋人もできて人生仕切り直し成功する話。妹と元婚約者と両家の両親は勝手に沈んでいく。ざまぁは薄め。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-30 12:49:22
68442文字
会話率:23%
傲慢なる悪役令嬢のセリーヌが、義妹に陥れられて、王太子殿下に婚約破棄をされる話……のはずが、学院の卒業式前日に、セリーヌが捨てられている子犬を傲慢な言動ながら、拾うところを殿下が見ることから始まるラブストーリー。短編となります。
最終更新:2022-03-28 10:39:07
4536文字
会話率:34%
シャノン=スフィア伯爵令嬢は、癒しの力を持ち聖女と言われる妹リンディだけを一方的に贔屓する両親から、十分な食事も与えられず、無視、迫害を受ける毎日を送っていた。妹のリンディもまたそんな姉を冷笑し、使用人からも侮られ、シャノンは家の中で居場所
のない日々を過ごしていた。
そんなシャノンはある日唐突に婚約が決定した旨を告げられる。その相手とは女性を次々に捨てるという悪い噂の絶えない横暴なロベルタ大公爵であった。追放同然で家を追い出されるシャノンは、何の取り柄もない自分は早々に捨てられ野垂れ死ぬことを覚悟するが、一方で、自分の身よりも唯一付いて来てくれたメイドの安全や、自分を捨てた家族、更に残して来た領民たちの安寧を願うのだった。
そんな謙虚で健気な彼女の姿に、徐々に理由があって横暴な態度を取っていた大公爵の態度は変わって行く。
また元々、実家で碌な食事も与えられておらず痩せぎすで、髪の手入れすらされていなかった彼女は、公爵領で普通の生活をするだけで、その本来の美しさをも取り戻して行った。
これはどんな状況でも人に優しく、また本来の姿を取り戻すことで、大公爵の心を救い溺愛されるとともに、周囲の様々な人間たちも彼女に自然と惹かれてゆき、公爵や民から最も愛される真の聖女として崇められるようになる物語。
一方で伯爵家の両親と妹は、今更ながらに公爵夫人の地位が惜しくなり、妹のリンディを姉に代わって婚約者にしようとして、シャノンを脅すなどするのだが、彼女を溺愛するロベルタ公爵がもはやそれを許すはずがなく、シャノンの知らないところで公爵の逆鱗に触れ王国での居場所を失っていくのだった。
★は妹リンディやロベルタ公爵など主人公以外の視点のエピソードとなります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-27 07:40:33
72063文字
会話率:43%