本間道場で筆頭師範代を務める十兵衛は、真剣勝負ができなかった。
道場での腕は負け知らずなのに、白刃が怖いのだ。
抜刀や据物斬りはするが、真剣での立ち会いは絶対に避けてきた。
その十兵衛に城中から上意討ちの命令が来た。
俺にはできない。
十兵
衛は苦悩した。
相手は一刀流の遣い手田所源四郎である。
逃げるわけにはいかない。
だが、中間角蔵の力を借りて田所を討ったが、上意討ちには見届け人がついていた。
十兵衛は目付に呼び出され、二度目の上意討ちか切腹かどちらかを選べと告げられた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-19 13:49:12
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