明治から戦争に負けるころまで、西日本の土木業界に名を馳せたヨシユキST郎という男がいました。明るさと侠気(おとこぎ)、思慮分別と気働きを重ねて、岡山の土建業界の「御大」と呼ばれるようになったST郎の「とんでもない次男」の話です。黒めがね(サ
ングラス)がトレードマークだった男・ヨシユキKN造のものがたり。好き放題に生きて死んだ、複雑極まりない人間の枝葉末節から、書きはじめたいと思っています。拙著ブログ『軽はずみ備忘録』、ブログまとめサイト『WEB版・軽はずみ備忘録』掲載原稿を一部改訂しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-05 16:59:30
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会話率:32%
父〝黒めがね〟ヨシユキKN造は、酒はもちろんだが旨いものが大好きだった。グルメではなかった。食い物について、知った風な講釈を垂れる人間を忌み嫌ってもいた。ただし、自分の口に入れるものは〝ホンモノ〟に拘った。徹底していた。ご相伴にあずかって
いた僕にとっては、ありがたくもあり、また、家を出てからの、お大尽ではない現実を鑑みれば(まったく、罪なことをしてくれたものだ)という思いも頭をよぎる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-22 19:36:17
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会話率:5%