重苦しい空気と正体の分からない殺気が常に漂う世界。
この世界に法という縛りは無い。統括する者も存在しない。この世界に来たきっかけも分からない。
元の世界に戻りたい者、そうではない者、もはや会話もままならない者
すべての者の命が等しく軽くもろ
い世界。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-23 22:28:04
26385文字
会話率:40%
少数派、マイノリティの声がより響くようになった世の中。生きる自由に死ぬ自由、どんな人間であっても、その人権は尊重されるべき。死ぬ権利もまた尊重。そうして、世界の多くの国々で安楽死が認められることとなった。
『ようこそお越しくださいまし
た。あなたにとって、良い旅立ちとなりますように』
安楽死施設、ユーサネイジア・センターに青年は足を踏み入れた。
どこからか流れてきた自動音声に出迎えられ、青年はそのスピーカーがあるであろう方向へ顔を向けた。しかし、見つけることができず彼は、ふん……、と鼻を鳴らした。緊張を隠すための虚勢だった。声がした瞬間、ビクッとしたことが恥ずかしかったのだ。
前を向き直した青年は、正面にある受付カウンターに座る女と目が合った。女はニコッと微笑んだ。カウンターには照明が備え付けられているのだろう、その光が女の皺に影を落とした。
青年は口角を上げようとしたが、やめて、目だけで辺りを見渡した。
病院の待合室。あるいは大企業のロビー、それか最先端の研究所といった雰囲気だ。黒い大理石のタイルの床、壁は白。青年の後ろ、建物の正面部はガラス一面で、太陽光を大きく取り込んでいる。
受付カウンターへ歩き出した青年は、ちらりと後ろを振り返った。
平原とその奥に雑木林が広がっており、一本の灰色の道路が伸びている。その上を走るバスの後部が見えた。
青年は前を向き直した。鼻から息を吐く。臆したのではないと示すように。
「ようこそお越しくださいました。安楽死をご希望の方ですね」折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-06-10 11:00:00
5855文字
会話率:40%
世界は、たった一つの発明でその構造を破壊されるのか。
事故の後遺症を抱え夢を諦めた少年、今井征。彼の体には、ある大きな秘密があった。世界の構造を揺るがすその秘密は、やがて大きなうねりとなってこの国を飲み込んでゆく。
最終更新:2021-09-29 23:09:01
6099文字
会話率:27%
あらすじ:理想を抱きながら死に行く者が流れ着く異世界、理想郷ネクストワールド。そこでは理想人と呼ばれる転生者たちが毎日のように理想と力を錬り上げ、理想を比較し、理想の成就に向けて切磋琢磨していた。
彼、七篠ユーサ(仮名)もその一人である
。
しかし、彼はなぜか前世の記憶を失っていた。それどころか、転生した理由であるはずの≪自分の理想≫がなんだったのかさえも、覚えていなかったのだ。
そんな彼はある日、救世主を名乗る美少年と出会う――「僕は君を救いたいんだ」
七篠ユーサは≪死にたい≫というぼんやりとした願望と≪致命傷に至る危機を消し去る体質≫を抱えながら、理想のために異世界を放浪する。様々な理想人との出会いを経て、ユーサは自分の理想を遂げることが出来るのか……。
WoI:World of Ideal
本作の方向性:美少年との友情で難題をなんやかんや解決していくタイプのストーリー(予定)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-01 00:00:00
38890文字
会話率:44%
ある事情から両目を封じた少女・香天潤。彼女は自らの魂の完全な消滅を願い、そのすべを求めて旅立った。
目的地は『生きている都市』――幽龍。
この街に高く聳える幽龍城砦で、天潤は魔人と呼ばれる男・罪王に図らずも命を救われてしまう。
罪王は命を救
った対価として、天潤の眼球を要求するがーー。
「愛とは、毒だ」
怪しく輝く東洋の魔窟で繰り広げられる、執着と切望のオリエンタルファンタジー。
――肉と骨とを踏みしめて、瞳を塞いで歩いていけ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-30 17:00:00
120461文字
会話率:36%
暑い夏のある日の昼間。この舞台の上、主役は君と私だけ。
最終更新:2010-05-28 22:04:22
580文字
会話率:6%