ある日普通のサラリーマンだった主人公タカユキは、女神エオリスと聖竜ムシュフシュと名乗る少女の前に呼ばれ事故で死んでしまったと告げられる。
なぜか自分が選ばれ、ムシュフシュと共に異世界エヴェルガリアに転生してもう一度人生をやり直せることと
なり、様々な出会いと別れを繰り返しひょんなことから問題に巻き込まれる世界を旅するいまさら王道を突き進む冒険が始まる!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-07 18:30:52
197235文字
会話率:55%
僕は騎士を喪った。
私は母を喪った。
僕は母を殺された彼女に申し訳なく思った。
私は騎士を殺された彼を哀れに思った。
僕は構えた弓を投げ捨てた。
私は命を差し出した彼に寄り添った。
僕達はまだ幼過ぎた。
私達はまだ温もりから離れたくなかった
。
僕達は助け合わなければ生きられなかった。
私達はそれぞれでは立ち直れなかった。
そんな生活も月日が経てば気慣れたものになっていった。
ぎこちない日常も季節が巡れば心安らぐものになっていった。
彼女の牙は大きな脅威も恐れ慄くものだった。
彼の弓は気付かれないままに獲物を仕留めてみせた。
何よりも気の知れた仲になった。
寝食を共にするのが当たり前になった。
寒い日に身を寄せ合って眠るのが心地良かった。
暑い日に水を浴びせ合うのは楽しかった。
でも。
けれど。
僕は王子であるという事実からは逃れられなかった。
私は人と共に生きる事への苦難を知らなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-05 10:00:00
130648文字
会話率:24%