魔導院・黒学科の三年生"黒頭巾"の『シラ』は、学年最下位の無能な魔術師だった。進級をかけた実技試験で、シラは何とかスケルトンを作り出す——だが、そのスケルトンはとんでもない奴だった。
「私の従僕よ——跪け」
「断る」
「
えっ」
「むしろお前が跪け」
あまりにも濃過ぎる自我。普通なら理性のないはずのスケルトンにはっきりと理性が宿ってしまった。彼の名は『ルドルフ』。その名は高貴なる狼を意味する。これは、史上最強を目指す剣士の骸骨兵ルドルフと、ある秘密を抱えた"黒頭巾"シラの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-20 21:37:09
3090文字
会話率:41%
未来世紀3020年。
借金のカタに宇宙船に乗せられることになった"おれ"は、恒星の光が届かない宇宙の果てのその端の片隅で彗星を追っている。
彗星の尾──ガス状気体に含まれる物体には、大きな値がつくものがある。
一隻の船で
星屑を回収する《彗星追い(コメット・チェイサー)》は、一攫千金さえ夢ではない希望溢れる宇宙空間色──ブラックな職業なのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-07 21:00:12
20570文字
会話率:23%
神の贈り物によって山羊からその似姿と相成った人類は、『白の者』と『黒の者』に分かれ、紙の文化と対立の歴史を深めていた。そんな白と黒の間に居る少数派=灰の者であるサイカ・ネルレラクに舞い込む黒の頭目からの依頼は、贈り物=『パルプグラマトン』を
捜せというものであった。世界終末の兆しが陽光に乗って注がれ、合わせる様に白の代理人も動き始める最中、サイカは守護悪魔モノ=クロームと共に、唯都グァラ=グァラ探求へ赴く――彷徨える彼の行く先に、求めるものはあるのだろうか。【空想科学祭2010参加作品】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-02 23:43:40
47781文字
会話率:43%