吾妻崇彦は、平々凡々な学生だった。
そんな彼が学校から帰宅し、部屋で昼寝をして目を覚ますと、そこは見知らぬ世界。勇者召喚を試みた賢者たちからボロカスに罵られた崇彦は、はした金だけ渡されて城の外へ放り出される。
そんな彼にある情報は、
自分の能力が最低ランクだということ。そして与えられた加護が、ハズレの【反転】というものだ、ということだった。
その言葉の意味のまま、物の位置を動かして遊ぶうち、崇彦は何の気なしに自分に【反転】を使用してみた。
「まぁ、何も起こるはずないよな」
しかし、彼は知らない。
その瞬間に彼の能力はすべて、最高ランクになっていたことを。そして自身の能力が反転したことにも気付かず、彼は勘違いしたまま最強のオールラウンダーとして名を馳せることになるのだった。
もっとも、崇彦が世界のために戦うことはない。
これは一人の少年が、自由気ままに異世界で生きる物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-08 10:07:34
4753文字
会話率:39%
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴
族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
※この作品は、私が以前書いた『外れ加護と呼ばれた空間術師』の改稿版です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-16 18:10:00
180241文字
会話率:60%
三月、その夜は嵐でした。
窓を叩きつける激しい雨音が静かな食堂に響いています。
「最近、王都で殺人事件が頻発しているらしいね。どうやら殺されたのは、全員犯罪者らしい。」
カインお兄様が食事中に物騒な話を始めました。
「私もその話
を聞いたわ。社交界では、自業自得、と噂になっていたわね。」
噂好きなお母様は、とっくにその情報をお茶会で入手していたようです。
二人の会話を黙って聞いていたお父様が、突然、私に話を振りました。
「セシル、ワイル伯爵家から持参金が返金された。追加で賠償金も支払われて婚約破棄が成立した。もう、ワグナーとは関わるな。」
「え?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-23 00:19:24
300464文字
会話率:34%
私、武蔵野千夜、十八歳。どこにでもいる普通の女の子。ある日突然、クラスメイトと一緒に異世界に召喚されちゃったの。クラスのみんなは、聖女らしい加護を持っていたんだけど、どうしてか、私だけよくわからない【応援】って加護で……。使い道の分からない
ハズレ加護だって……。はい。厄介者確定~。
結局、私は捨てられてしまうの……って、ふっざけんな!! 勝手に呼び出して勝手言ってんな!
な~んて、荒ぶってた時期もありましたが、ダンジョンの中で拾った子狼と幸せになれる安住の地を求めて旅をすることにしたんですよ。
はぁ、こんな世界で幸せになれる場所なんてあるのかしら?
※アルファポリス様で先行掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-02 12:00:00
22397文字
会話率:25%
貴族として生まれたクイナは、その加護のハズレ具合から《役立たず》として酷い仕打ちを受けている。掃除、洗濯、料理はできて当たりまえ、寝る場所は屋敷から離れた小屋。友達はフィーナだけ。
ある朝、目覚めてみると屋敷の人間と一切の家具類がなくな
っていた。……どうやら没落したらしい。
※ざまぁはありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-09 23:20:03
17488文字
会話率:38%