少年は気づいたときには見知らぬ部屋にいた。外は真っ暗、ドアは開かない。
そして、少年には記憶がなかった。
なぜか喋る腕時計には異世界を旅すれば解決すると助言されるがーー?
記憶を取り戻した先には何が待っているのだろうか。
記憶がない少
年と喋る腕時計が送るミステリアスアドベンチャー
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-25 19:00:00
5872文字
会話率:39%
惑星エスフェラに住む種族、ファダーは唯一神アサナトを崇める大聖堂ハラムを中心に、完璧な世界を形成していた。しかし、完全な世界であっても稀に不具者が生まれてきてしまう。ファダーは彼等を「カーリド」と呼び、蔑み排除してきた。
カーリドは弾圧
を受けながらも、ハイマートという反抗組織を結成し、少数で生きながらえてきた。彼等の唯一の望みは、この惑星から脱出すること。
完全であるとは、不完全であるとは――。
異星人が織りなすダークSFが幕を開ける。
※物語が複雑で用語が多い為、用語説明をご参考にしてください。
かなりシリアスで救いようがない程の暗い物語となります。ご了承ください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-07 00:08:28
156277文字
会話率:36%
報告書の内容が始まるまでの経緯
我々の世界とほぼ同じ歴史を歩んでいた平行世界「ハイマート」は、20世紀末、異界を結ぶ通路の集合体「ハブ」の発現によって、自分たちと極めてよく似ている世界(つまり、今これを呼んでいる読者がいる世界)があるこ
とを知る。異世界への対応を巡る対立からハイマート内で戦争が始まり、全面戦争にいたる。何回かの休戦ののち、現在でも局地的な紛争が続いている。
膠着した戦争のさなか、ハブの技術の応用によって兵力を自在に送り込む技術を確立した「術士団(じゅつしだん)」が、最終的な勝利者として台頭してくる。この集団は、政治や宗教など、特定の思想(イデオロギー)を持たないという思想によって結び付けられた人々による、少数寡頭の、地球規模の支配階級である。
術士団は統制を強め、反対派を弾圧し、血みどろの紛争を更に大きな戦争によって解決する。「自分たちと同じであり他者でもある」平行世界(ロウランド)に対しては、自分たちの世界の存在を秘匿しつつ、密かに調査をして相手を見極めるという方針を固める。
そして、無用な混乱を防ぐという大義名分のもとに、得られた情報の独占に努めた。
術士団の構成員たる相術士(そうじゅつし)(相士あるいは術士と略称される)の一人、上田一般術士は、ハイマートの平行世界たるロウランドに赴任するように辞令を受ける。目的はロウランドの文化、風俗を調べ、報告すること。そしてこれといった人材を勧誘し、ハイマート側に引き込むことである。
小型のハブを通って、和歌山沖にある島に上陸するところから、報告書の描写は始まる。
上田はロウランドに赴く以前から、ロウランドの出来事を同僚で幼なじみの河井出(かわいで)一般術士に密かに伝える計画を温めていたらしい。
伝えることになった経緯や目的については、上田が報告書冒頭で早速語ってくれている
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-26 20:03:56
170674文字
会話率:22%