八年前。世界中のあらゆる所で人類が一斉に絶望、自殺する事件が起きた。それを起こした者は空から次元を裂いて現れ、這い出てきたその者らに対し人類は神や天人と呼んだ。
幾度の交戦の末に人類は勝利を収め、その後は誰も自殺をする事が無いように「
アンチ・デストルド・システム」、通称アンデスと呼ばれるナノサイズプログラムを作成した。アンデスを投入した者は〝新人類〟と呼ばれるようになり、あらゆる精神的苦痛から解放される事になった。
だがその中で人類には、新たな死因が産まれる事になった。絶望がアンデスを超えると身体から糸状物質が発生、自らの意志とは関係なく糸が繭のように全身を包み込み、自殺ならぬ自縊死するようになってしまったのだ。
そんな世界で生きる主人公の鹿島と彼の親友である青貝は、ある日ゼミの授業中に目の前で死んだ筈の同期が現れ、異形の生物と化して襲いかかって来た。間一髪の所を救ったのは同じくゼミを受講していた少女、アタシだった。彼女は糸のような物体を操り、怪物と化した同期を斃した。
彼女から知らされる世界の現状と、倒すべき存在。それに対し、鹿島と青貝は戦う事になる。
これは己の罪やトラウマを武器に変えて戦う、哀しき能力者達の戦いである。
※毎日15時、20時更新※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-25 20:00:00
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会話率:45%