『私はシンデレラである』
『嘘だ、シンデレラじゃない。嘘ついた。ごめん』
ドロシー・ルーズルースは子爵家の長女。
母の妹である叔母の元で、妹二人と共に暮らしている。
彼女の生活は物語の灰被り(シンデレラ)そのもの。
けれど、まだ救われない
はずの彼女の暮らしは、シンデレラのそれとは違っていた。
前世十七歳まで生きた記憶があるドロシーが、物語の世界へと転生して願ったことは、意地悪なはずの義母の幸せだった。
『絶対私が幸せにしてやるんだから!!』
元演劇部のなんちゃってシンデレラは、ツンデレ義母をハッピーエンドへと導けるのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-11 20:25:25
16887文字
会話率:16%
『小説家になろう』や『カクヨム』において無数の異世界転移が行われることによって、現代日本からもたらされた最新の科学技術があまねく行き渡り、併せて古来よりの高度な魔法技術とも融合し、現代日本をも大きくしのぐオーバーテクノロジー的『魔法機械技術
』が発展を極めた、人呼んで『ハイブリッド異世界』。
ほぼ100%の的中率を誇る人並み外れた『正夢体質』である、山奥の寒村に住んでいる少年アルバートは、近い将来自分が魔王となり世界を滅ぼしてしまう夢を見てしまう。
しかも彼はあたかも『前世の記憶』そのままに、自分が現代日本の『御神楽響』という少年となる夢を頻繁に見るようになるが、そんな彼の前に突然現れた『なろうの女神』を名乗る不思議な少女は、その夢の一部始終を小説にしたためて、数年前からこの世界でも利用できるようになっていたインターネットを通じて、現代日本の『カクヨム』サイトにおいて『夢見る蝶は目覚めない』というタイトルをつけて公開し、近々開催予定の『カクヨムコン4』で入賞すれば、アルバートの破滅の未来を防ぐことができると唆す。
藁にもすがる思いで言われるままに小説を書き続けていたアルバートであったが、そんな彼の前に今度は、将来魔王となるアルバートを狂信的に崇拝している、『過去詠み(カコヨミ)の巫女姫』を名乗る少女が現れ、実はこのハイブリッド異世界自体が、本当に現代日本に存在している御神楽響が、『小説家になろう』サイトにおいて『第七回ネット小説大賞』応募用に作成している小説、『ただの正夢体質の俺が異世界の神様だと⁉』に過ぎず、将来アルバートが魔王となりこの世界を滅ぼすか否かについてはすべて、彼の胸先三寸だと言うのだ。
もちろん響にとっては小説の登場人物に過ぎないアルバートでは、一見手も足も出ないようではあったが、考えてみれば響のほうもアルバートの自作の小説の登場人物のようなものであって、二人はお互いに同じような立場にあったのだ。
──そのため両者の間で、コンテスト応募作品として過度の破綻を避けつつ、どうやって相手を破滅させて自分の破滅を回避するかといった、現実と異世界と小説との境界線を越えた、『作者』同士の知略を尽くした闘いが、まさに今幕を上げたのであった。
※この作品は『カクヨム』様においても同時に公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-08 22:27:06
43790文字
会話率:37%