加護咲夜(かごさくや)、高校一年生。
彼女には、不思議な能力があった。それは、他人の寿命が〝年数〟で見えること。彼女には大きな未練があった。それは、寿命一年である事を知りつつ見過ごしたことで、とある女性を救えなかったことだ。
咲夜は
高校の入学式の朝、屋上から空を見上げる男子生徒の姿を見かける。なんとなく視界の隅に入った彼、今泉京(いまいずみきょう)の寿命は──〝一年〟だった。
先輩が来年までに死んでしまう運命を変えられた時、私が背負った罪の十字架も下りるのかな?
次々現れる寿命一年の人物を救いながら辿り着いた世界で、ついに咲夜は彼の死の間際に直面する。
「先輩──!」
伸ばしたその手は届くのか──。
偽善か──それとも贖罪か。死神の目の使い方。
※アルファポリス主催、第三回ライト文芸大賞【奨励賞】受賞作品。
※読み手のネコ様のレビュー企画で、長編一位の評価を頂きました。
※小説家になろうさんで、ジャンル別日間三位頂きました。
※表紙用のイラストは、『SKIMA』を利用してmu様に、タイトルロゴは草食動物様に作って頂きました。
※Part51の挿絵として、ミカスケ様のフリーイラストを使わせて頂きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-26 18:43:05
236925文字
会話率:37%
新任の現国教師として私立の女子高、舞薗高校へと赴任してきた主人公は
かつては小説家を目指し、結局自費出版止まりで夢を諦めた過去を持っていた。
慣れない環境に、落ち着ける場所を探しているある日。
今では使われなくなった旧校舎の話を耳にする。
放課後、何の気なしに向かったその校舎の図書室から。
ぺらりと紙を捲る音が聞こえた気がした。
まさか人がいるとは思っておらず、息を潜めて様子を窺うが
一向に次のページを捲る音が聞こえない。
五分ぐらいしたところで、ようやくぺらりと紙を捲る音が。
なんとも読む手の遅い図書室の主を一目見ようと中に入ると――
真っ黒い制服を着た、黒髪ロングの女子生徒が一人。
他に誰もいない図書室で、椅子ではなく机に座って本を読んでいた。
偶然にも、彼女が読んでいた作品は主人公も好きだった長編小説。
この作品を最後まで読みたいというのが、彼女のたった一つの願いだった。
※カクヨムにも同じ内容で掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-18 10:05:42
7617文字
会話率:34%