――眩い光に、少年は思わず瞼を閉じた。
「ようこそ……勇者様」
しかし飴細工を連想する少女の声と、透かして届く光が弱まったの感じ、ゆっくりと開く。
つい先ほどまで、なんの変哲もない、高校の帰り道である住宅街を歩いていたはずだった。
なのに見開いた矢先、目に飛び込んできた光景は、全く異なるものだった。
石畳。背後には、剣が突き刺さった台座。
聖職者を思わせるローブの集団。鎧を着て槍を携えた集団。
そして豪奢な衣装に身を包んだ、可憐な少女の姿。
少年は、勇者として異世界に召喚された――
うん。嘘は言っていない。あらすじ詐欺ではない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-01 07:00:00
16709文字
会話率:63%