継母は言った「そんなもの要らないわ! 滅びる国の王位など!」と。王冠は転がり少女の足元に。幼子を抱き継母は去っていく。そうして、少女は残された……たった独り敵の攻めいる城に。
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少女の守り人は遠く離れた城を見つめる。その城から伝鳥
の飛翔をとらえる。伝鳥は将の腕に飛来した。『妃塔、本陣。王間にて戴冠式を行う』伝文を読んだ守り人は、再度城を見つめる。その心に宿る想いは、離れた一年前と変わらない。
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引き裂かれた少女と守り人が再び想いを寄せあうまでの軌跡、いや奇跡の物語です。そして、たった独り城に残された少女が敵を手中におさめる奇跡の物語……少女が女王となるまでの物語なのです。
【瑠璃の女神一凛】開幕
彼女の名は別にある。だが、その名を口にする者はほとんどいない。
彼女のことを 知る 人間ならば
彼女を 見た 人間ならば
その奇跡を称え皆口を揃えて言うのだ『イチリン』と。絶対無二の存在であるその名、唯一の『一』そして、この物語を知ればわかるだろう、『凛』の意味も……
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エブリスタにも載せています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-22 10:27:34
122894文字
会話率:43%
死んでしまった君の笑顔を久遠に思い続ける青年の詩(うた)
最終更新:2015-06-21 20:32:56
420文字
会話率:13%