赤ペンキをぶちまけたような夕暮れのなかを、一人の男がフラフラと歩いていた。すると突然、後ろから『パン』と拍手のような音が聞こえてきて――
「青リンゴ、青リンゴです。青リンゴ。道に……ホラ。青リンゴが落ちていました」
男は、どこにでもある普
通の青リンゴに、異常なこだわりをみせた。彼は狂っているのか、それとも夢を見ているのか、あるいは何かに憑りつかれているのか、それは誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、その行動がだんだんとエスカレートしていくことだけ――
「青リンゴです。ア、オ、リ、ン、ゴ。青リンゴです」「……あなたは夜道に気をつけたほうがいい」「早く早く! ――早く埋めてください!」
――そしていつしか、世界までもがオカシクなっていく――
「――なんなんだオマエラッ放せエエッ!」「うるさい! 大声を出すな!」「ありがとうございます」「ぅ、アアーッ!! ヤメローーッ!!」
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-19 12:52:38
8751文字
会話率:42%
道場の主は黒帯(意味深)
最終更新:2020-04-04 16:45:52
381文字
会話率:0%