「どうして君はそんなに不気味な研究ばかりするのか。私はもう耐えられない。――婚約破棄だ」27歳の錬金術師マーティーは、婚約者である第三王子からそう告げられた。そしてそのついでに、怪しげな研究をしていると勘違いされたことが原因で、挙句に国家転
覆を狙っている可能性があるとされ国外追放処分まで受けてしまうハメに。
王子との婚約を夢物語として嬉しく思っていたマーティーは、それがあっさりと崩れ去ったことに泣きながらも笑って強く生きることを決め、それから今は亡きお師匠さまがいた工房へ赴くことにした。そこで残りの人生を穏やかに過ごすことを決意したのだ。
しかし、その旅路の途中で生来のお人好しを発揮してしまい、二人の王子を助けることになり……?
「ぜひ俺の婚約者になってくれ! 君を追っているうちに、会えない時間が俺の恋心に火をつけたのだ!」
「こんな男よりも僕の妃に!」
そんなことを言われても、もう婚約がどうとか結婚がどうとかこりごりなので帰って下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-29 00:20:52
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