通信網が世界中に張り巡らされ続け、サイバネ手術が普遍化し、インターネット空間へ精神をダイブさせることが当然になり、突如として魔法が出現した時代。世界は衝突し、融合し、今も拡大を続けている。人々は宇宙への進出の道を断たれ、もはや宇宙植民の夢は
小学生にすら口にされなくなった。新型サイバネ、過剰消費社会、魔法、見目麗しいエルフのゲイシャ、人気花魁アイドル、サイバードラッグ、合法トリップドリンク。
皆、熱に浮かされ、ケオスの海に呑まれていく。空の色はノイズ交じりで不通状態なテレスクリーンの色、誰も青空など求めてはいない。身を隠すためのほの暗い影が都会を生きる人々には必要なのだ。宝石箱のように輝く摩天楼、宝石箱の輝きが強まれば強まるほど、色濃く、深く、より暗く影が落ちる。
未来的電脳メガロシティに生きる者は誰もが犯罪や後ろ暗い事とは無縁でいられない。
そんな世界を生きる未来的エルフ青年の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-02 13:08:43
9767文字
会話率:49%