もしもしカメよ、カメさんよ
最終更新:2020-11-02 19:00:00
2301文字
会話率:42%
もしもしカメよ カメさんよ
世界の内で お前ほど 歩みののろい者はない――――
思い起こせば私が四歳の時だ。
おじいちゃんが、
『道に転がってたからよ!』
とか言って立派な亀を連れ帰ってきたのは。
十三年が経った今、私もだいぶ
成長したが、大人と変わらない体格になってもカメを抱えるのは無理だ。拾ってきた当時から、カメは体長が子供の身長くらいにあったから。
四歳の私が十七歳に至るまでカメは、のんびりだんまりのそのそと家中を徘徊し、縁側でひなたぼっこをしてはたまに近所に散歩に行ったりと、ごくごく普通の(?)爬虫類のペットらしく生活を送っていたのである。
そのカメに、数ヶ月前に革命が起こった。
学校から帰ってきてみると、居間に見知らぬ青年がどっかりと座っていた。あんまり自然な様子でいるので、さては私が家を間違えただろうかと馬鹿なことを考えてしまった。
しかし部屋の内装は私の、というかこの部屋に至るまでの階段の数も玄関口のプランターの配置も家の外観も、私の家のものに違いない。不審人物はこの、まるで慣れ親しんだ生家に居るような様子でいる青年だ。
「……あんた誰?」
至極当然な質問を投げかけると、青年は表情も変えずにこちらを向いて、淡々と言った。
「カメです」
夢見てるのか私。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-11 22:34:13
35846文字
会話率:42%
もしもしカメよ〜と、カメさんをからかって、適当にかけっこの約束をしたウサギさん。意気揚々と家に帰って、お母さんに自慢気に話しますが……。
最終更新:2017-02-02 13:04:18
6424文字
会話率:43%