私はマオ。『開花路(カイホーロ)』という街の、とある路地の一角に事務所を構え、探偵をやっている。刑事からの事案、人々のごたごた、それに恋愛相談等、なんでも請け負う立場にある。否、請け負ってしまうと言ったほうが適切だろう。どうにも私はヒトがい
いようで、どんな案件でも持ち込まれた以上は引き受けてしまうきらいがある。とはいえ、暮らし自体は気楽なものだ。サービス業である分、利益率は高い。日がな一日をのんびりと暮らしていく分には充分な稼ぎが得られている。誰にも縛られない、また誰にも何も強制されることもない探偵業を、私はそれなりに気に入っている。
※『スカーフェイス・メイヤ』へと続く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-12 00:24:56
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会話率:82%