この日、鳥たちは歌い、空は青く澄んでいた。ああ、確かに『いい天気』だ。……しかし、おれは嘲笑されているようにしか感じない。もちろん、これはこっちの感じ方に過ぎないということはわかっている。
昨夜は久々に少年の頃に戻ったような気分で眠りに
ついた。ワクワクしていたわけじゃない。『神様、どうか明日は雨を降らせてください』と願っていたのだ。でも、神など存在しない。それはもう知っている。
おれはこの日、町のマラソン大会に参加することになっていた。いや、正確に言えば『参加させられた』のだ。スタートラインに立ち、開始の合図を待っている今、体と意識がばらばらになっているような感覚があった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-20 11:00:00
3189文字
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以下、とある男性の日記からの抜粋である――。
※毎日22時ごろ更新予定。
最終更新:2023-03-05 22:00:00
69924文字
会話率:27%