人前で、笑顔を貼り付け十三年。
少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。
今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。
(何回やっても、慣れないわね……)
ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。
ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。
ルーリアの瞳はそんな色ではない。
赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。
そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。
その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。
そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。
ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-22 07:30:53
34508文字
会話率:42%
優しいカミラお嬢様は、遊びにきたメイドの姪にももちろん優しい。
高価なビスクドールを壊してしまっても、すぐに許してくださるほどに。
最終更新:2023-08-24 05:46:54
2533文字
会話率:31%
誤解による婚約破棄ざまぁで追放された男爵令嬢のざまぁ返し。
最終更新:2023-07-20 06:11:46
5449文字
会話率:41%
身に覚えのない罪状で婚約破棄され、王妃の侍女になった公爵令嬢アデーレ。
侍女になって間もないのに、新人教育を任されることとなった。
気軽に引き受けたものの、新人の男爵令嬢マリーは、礼儀知らずな上に発想がとんでもなく斜め方向な、DQN令嬢で…
… アデーレの胃は、あっという間にボロボロに。
そこに現れた救い主が、第2王子のフェリクス。
彼が持ちかけたストレス解消法は、これまたとんでもないことだった……。
頑張る令嬢への応援ストーリー。
最後には報われていると信じる。
全4話完結予定。
※設定はゆるゆるです。広い心でお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-27 16:17:52
15199文字
会話率:33%
ライランズ王国の聖女クララは王太子の婚約者であったが、侯爵令嬢の讒言により追放されてしまった。そのため、王都に張られていた『結界』は消滅し、魔物の大群が入り込んだ。混乱の中で民衆も蜂起し、国王を始め王族や主だった貴族は逃亡してしまう。
唯
一取り残された第七王子のアレンは国王に即位すると、ジリ貧の状況を改善し、王国を再興していく。
「まあ見ていろ。絶望するのはまだ早い」
復興が進むと、逃亡した連中が戻って来るが「お前の席はもうねえから!」
※2020年11月10日 タイトル変更しました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-21 00:07:55
51223文字
会話率:53%