貴族の婚約・結婚の相談窓口業務を行う俺のもとに、面倒な相談案件が舞い込んできた。
相談相手は甥っ子でもあり、この国の王太子。相談内容は、彼には好きな令嬢がいて、しかし自身もその令嬢も婚約をしているため、双方が婚約破棄するための証拠を捏造して
ほしい、と言うものだった。
確かに俺の扱う魔法を駆使すれば、証拠や証言の捏造は容易い。実際、俺は様々事情があって、婚約破棄を行うために事実をねじ曲げた事はある。
しかしちょっと待て。将来、為政者になる身としてそれはまずい。好きな女を得たいからって、事実無根の婚約破棄って思考が汚物。俺のお兄ちゃんは何しているの?
その令嬢、俺の婚約者なんですけど??
三十路男が立場と魔法を駆使して、あんたのお立場“立件”します。
※短編を前後編に分けて投稿します。後編はまた次回。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-26 06:00:00
9886文字
会話率:37%