父親の背負った借金返済の肩代わりを条件に、"幽霊男爵"に嫁いだ田舎の伯爵令嬢、シャロン。
ところが商人である夫エイベルは他国に滞在中のため、一年経ってもまだ顔を合わせたことがない。
それでも彼から届く手紙や贈り物は温か
く、"クーパー男爵夫人"として慣れない社交に奮闘しながら、彼の帰宅を心待ちにしていた。
が、"困った"という言葉を鵜呑みにし、よかれと思って動いてしまうシャロンの行動は失敗続き。
いつしか「幽霊男爵のおせっかい夫人」と囁かれるように。
「エイベル様は、不出来な妻を迎えてしまったと、呆れられるでしょうね」
気落ちしていたある日、シャロンの元に一人の訪問者が。
クーパー邸の近郊に別邸を構えているという二コラ伯爵は、シャロンに庭師を貸してほしいという。
「絵が、泣いているのです」
「……はい?」
奇妙な「泣いた絵」には、"幽霊"が絡んでいるとか。
「そんなの、気になって仕方ないじゃない……っ!」
シャロンが持ち前の好奇心と"おせっかい"で、「泣いた絵」の真相を突き止めようと奮闘する最中。
"幽霊男爵"ことエイベルの帰宅の報せが。
「その時が来るとなると、その……どんな顔をして、お会いしたらいいのかしら」
"おせっかい"な令嬢が旦那様や使用人たちに愛されながら、問題解決に挑むお話。
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折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-24 21:37:55
32119文字
会話率:37%
大好きな彼と婚約が整って上機嫌でデビュタントに臨んだ子爵令嬢のセラフィーヌ。
だけど、未婚の貴族令嬢に望まれない縁談を押しつけることで有名な公爵夫人が、セラフィーヌの婚約者が平民の農家だと知って
「平民に嫁がされるだなんてかわいそう!」
と勝手に盛り上がって、こちらの言葉も聞かずに「貴族との結婚」を押しつけてこようとする。
どれだけ「両想いで幸せなのだ」とセラフィーヌとその家族が訴えても聞く耳を持たず暴走する公爵夫人はついに最大のやらかしをしてーー
※「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-29 09:50:27
13725文字
会話率:35%