奇妙な男だとは思ったが、彼はなんだかいい匂いがした。香水だろうか。
接触した肌と衣服を通して、伝わる熱と心臓の鼓動。
他人の熱と音と匂いに触れたのは、ずいぶんと久しぶりのことのように思えた。
フリーの「あたし」と「彼」の物語。
最終更新:2023-04-04 18:37:00
5285文字
会話率:19%
バスの事故で亡くなったあたしが転生したのは小説の中らしい。ヒロインに憑依しているけど、あたしの推しは悪役令嬢の方。でも、悲観はしない。ヒロインならヒロインにしか出来ないことがある。そう、悪役令嬢が不幸になるのをあたしが救うのだ。推しの幸せは
あたしが勝ち取る!!……と、息巻いたのはいいんだけど、どうも様子がおかしい。小説の中のはずなのに、ストーリーがあたしの知っている内容とは違う。不幸になるはずの悪役令嬢はすでに幸せになっていた。転生早々生きる目標を失う。そしてあたしは気づく。この物語の主人公はたぶん、きっと、あたしではない。
***ベタな展開が大好きなので、今度こそベタな転生ものを目指します。カクヨム重複投稿しています。***折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-09 22:27:37
167667文字
会話率:25%